時は大正。高知の下町に生れ育った喜和(十朱幸代) は、15歳で渡世人の岩伍(緒形拳)に嫁いだ。女衒稼業を営み始めた岩伍は、家庭をまったく顧みず、子供の養育に苦労を重ねる喜和をよそに、岩伍は外に女を作り子を産ませる。そして岩伍は、その娘(高橋かおり)に深い愛情を注ぐのだった…。
大正・昭和の高知を舞台に、女衒(ぜげん=芸妓紹介業)一家の数々の波瀾の事件と、妻と夫の別離を描く。女衒という因果な商売を営む男を緒形拳が演じ、その妻役は十朱幸代が好演。『鬼龍院花子の生涯』に始まり、『陽暉楼』に続く、直木賞作家・宮尾登美子の同名小説を、『北の螢』の高田宏治が脚本化。監督は五社英雄。
1985年/日本/135分 配給:東映
監督:五社英雄 脚本:高田宏治 原作:宮尾登美子
キャスト:緒形拳、十朱幸代、名取裕子、石原真理子、井上純一、田中隆三、高橋かおり