多発する不可解な暗殺事件。昨年だけで、20人を超える大物が犠牲となり全米の暗黒街に戦慄を与えていた…。一連の暗殺はインフェルノのファントム・ツヴァイ…そう、玲二の手によるものだった。サイス・マスターとの死闘から生還した後、玲二はファントムを襲名したのだった…。幹部も舌を巻く程の技量と自らの意志による組織への献身。最早、玲二は完全にインフェルノが操る恐怖の化身・ファントムになったかに見えた…。だが、彼に意志などありはしなかった…。ただ肉体のみが生きているだけの亡霊。心はあの日から死んだまま…。そう、エレンを自らの手で撃ってしまったその日から…。「意志なんかない―今の俺には…何も…何も感じなくなる…過ぎたことも先のことも、何もない。」エレンの言葉の意味が今ならわかる…。