美月は朝から興奮していた。今日は憧れだったあの人に逢える日。そして、ニューヨークから兄がフィアンセを連れて帰ってくるからだ。さらに、佐藤部長のお見舞いに行くと、あの久留米が自分のことを認めてくれていたことを聞いて感激する。撮影所で待っていたスポンサーのm.o.e.から「colorsの新曲を劇中に流すだけではなく、実際に歌うシーンを作って下さい」とお願いされても、アッサリと引き受ける美月。スタジオに入ると、色が銀色に変更された白き女神の撮影中だった。イベントでのテスト販売で、白より銀ヴァージョンの売れ行きが良かったためだ。そこにあの人が到着した。田宮俊太郎、「無常のライセンス」で天知刑事を演じた俳優だ。早速彼に挨拶し、自分がドラマの熱烈なファンであることを伝える。だが、田宮は「昔のくだらないドラマの話はやめてくれ!」と怒り出す。ショックで平静さを保てなくなった美月は、雨のなか、撮影所から逃げるかのように…。