夜ふけのある官庁。懐中電灯片手に巡回中の守衛の眼が、半開きになっている素材課の窓をとらえた。守衛は怪訝そうにドアの鍵をあけて室内に入っていく。そして翌朝、瀕死状態の守衛が発見された。犯行時間は午後9時13分。手当ての甲斐なく息をひきとった守衛の腕時計から時間はそう推定されたが、金庫には荒らされた形跡があるものの、盗まれたものはなかった。
当時、現職の警視庁鑑識課員でもあった脚本家の長谷川公之が、豊富な経験と資料を基に、難事件に挑む警視庁機動捜査陣の姿をリアルに描く刑事サスペンス・シリーズ第15弾。今回は官庁で殺人事件が勃発し、捜査第一課がアリバイ追求を中心に捜査していく。おなじみ7人の刑事のひとりとして、後にアクション・スターとして人気を博す千葉真一が映画初出演を果たす。
1961年/日本/62分
監督:島津昇一 脚本:長谷川公之
キャスト:堀雄二、千葉真一、大村文武、波島進、神田隆、花沢徳衛、小沢栄太郎、小宮光江