貧しい人々の為の医療施設・小石川養成所に派遣されたエリート医師・保木登は、赤ひげが所長を努める下で働く事が不本意だった。しかし、貧困にあえぎながらも懸命に生きる人々と接し、座敷牢の狂女や娼家の幼女に出会ったり、赤ひげの医療技術の深さを垣間見るうちに、次第に考え方が変わっていった……。
本建築に近いオープン・セットは生活感を出すため約1ヶ月間床や柱をこすり道を踏み固めた。また狂女視線を強調するためにキャッチ・ライトを応用したりと、スタッフのクオリティの高い仕事ぶりが隅々に見受けられる。こうした努力と俳優陣の名演とが相俟って黒澤監督の集大成とも言うべき、日本映画史に残る大作となった。
1965年/日本/185分
監督:黒澤明
キャスト:三船敏郎、加山雄三、山崎努、二木てるみ、内藤洋子、杉村春子