昭和23年(1948)、東京・三鷹にある玉川上水で、流行作家・太宰治(河村隆一)と山崎冨美栄(とよた真帆)の情死体が上がった。奇しくもその日は太宰の39歳の誕生日であった。“流行作家・太宰治、愛人と心中”、このスキャンダラスなニュースは、たちまち戦後の日本を駆けめぐる―――!津軽地方の資産家長男として生まれた太宰治こと津島修治は、帝大(現:東京大学)の学生となり、作家になることだけを目指していた。21歳の太宰は、青森の芸妓・戸山初枝(さとう珠緒)と結婚同然の生活を送りながらも、銀座のカフェ女給・田辺なつみ(朱門みず穂)と最初の心中事件を起こす。一命をとりとめた太宰であったが、実家からの除籍、文壇への道が開けないことなど、全てにおいて嫌気がさしていた彼は、やがて酒と女たちとの愛欲に堕ちていく…。
2002年/日本/133分
監督:伊藤秀裕 原作:猪瀬直樹
キャスト:河村隆一、佐野史郎、裕木奈江、とよた真帆