味同道代が子宮筋腫で東京のさる病院に入院していたある日、芝令子と小河内まゆみは偶然見舞いに来て数年ぶりに会った。さる大学教授の夫人である道代は、「まゆみさんは良いわよ。御商売大分良いらしいじゃないの。令子さんもお倖せね。いつも御主人と御一諸に、日本中旅行出来て……」 と、しきりに二人を羨望したものだ。若く美しい令子、肉感的で魅惑的なまゆみの二人はきわめて対匪的な美しさだが、子供二人を抱えて、女だてらに建築ブローカーをやっているまゆみにしても、富豪の実業家に抜いだ令子にしても、心の隅にわびしい魂の飢えを感じている女たちであった。
1956年/日本/80分
監督:川島雄三
脚本:柳沢類寿
キャスト:三橋達也、南田洋子、轟夕起子、大坂志郎、小林旭