島原の乱の指導者として多くの伝説を残し、今もなお謎多き人物として異彩の魅力を放つ天草四郎時貞の姿を、新たな視点でドラマティックに描く。衣装や美術に現代的なエッセンスを加味した新たな日本物オリジナル・ミュージカル。江戸時代初期、幕府による禁教令が発布された後も、九州・天草の地には数多くのキリシタンが隠れ住んでいた。そこに一人の男が流れ着く。自らの過去を多く語ろうとしないその男は“四郎”(明日海)と名付けられる。貧しくとも心豊かな天草の人々に囲まれて暮らすうちに、四郎は彼らの信仰に興味を抱くようになる。そんなある時、浜辺でかつての仲間と遭遇する。実は四郎は夜叉王丸という倭寇の頭目だったのだが、嵐に遭い難破し、奇跡的にこの地に流れ着いたのだ。仲間からこの地に眠る南蛮渡来の宝を探そうと誘われた四郎は、天草と島原半島の間に浮かぶ無人の島・湯島へ向かう。そこで人目を忍んで聖人画を書く、リノという洗礼名を持つ青年(柚香)と、彼が描く聖母マリアのモデルをしている美しい女性・流雨(仙名)と出会う…。
2018年/花組/東京宝塚劇場/キャスト:明日海りお、仙名彩世、柚香光