イタリアの雑誌記者出身で“夜もの”と呼ばれた性風俗映画を撮っていたグァルティエロ・ヤコペッティが、世界の野蛮で残酷な奇習や風習を記録した異色ドキュメンタリー映画。一部に演出やいわゆる“やらせ”も含んだショッキングでいかがわしい手法は、以降“モンド映画”という名の同系統作品を大量に生む世界的ブームを巻き起こした。日本においてもセンセーショナルな宣伝が功奏し、1962年洋画配収第2位となる大ヒットを記録。1976年には続編の「続・世界残酷物語」(63)とあわせた「総集版」がリバイバル公開された。抒情的で甘美なリズ・オルトラーニによる主題曲『モア』も大流行し、1963年度アカデミー賞にノミネートされるなど本作のヒットに貢献した。