【#2】
ペットシッターの沢口華子は、今日も元気にかわいい動物たちを相手に奮闘中。夫を交通事故で亡くしてからというもの、女手一つで娘・七子と息子・卓を育てている。仕事が忙しくて二人をゆっくり構ってやれないことが目下の悩みだ。華子が勤める「愛・ペットサービス」は明るい職場。華子が何か問題を起こさないかといつもハラハラしている社長・愛子、もはやあきれ顔の鶴子、は虫類が大好きな充にマイペースの亜由という面々。そこへ、愛子の弟で獣医の信介がやって来る。顔に殴られた傷がある。問い詰めると、昨夜会った、幼なじみで外科医の多賀に殴られたと答えた。多賀の前妻・晴美との復縁を勧めたところ急に怒り出したという。晴美は信介の友達でもあった。信介が帰った後、その晴美が愛子を訪ねてきた。事業に意欲を燃やしている晴美は、近年のペットブームに目をつけ、ペット同伴で宿泊できるホテルや旅館にペットシッターを派遣する会社を設立しようと考えていた。そこで、愛子に相談にやって来たのだ。愛子は協力を快諾し、早速、視察をかねて、鬼怒川にあるペットを連れて泊まれるホテルに打ち合わせに行くことになった。華子も同行することになる。新事業のために犬を飼い始めた晴美だが、実は大の犬嫌い。代わりに華子がその世話係に。まだ名前のないその犬に華子は“ゴンベェ”と名付けた。名無しの権兵衛の“ゴンベェ”だ。ホテルに着いた華子はゴンベェと散歩に出かけ、地元の少年・洋平と出会った。洋平はトラック運転手の父・勝巳と2人暮らし。洋平の母親は5年前に病死したという。不在がちな勝巳の代わりにホテルの仲居・玉代が何かと洋平の面倒を見ていた。洋平は父と玉代が再婚相手してくれればと思っているらしい。晴美と滞在先のホテルとの間でペットシッター派遣の話が進む。そこへ、晴美の前夫・多賀の撲殺死体が都内の公園で発見されたという連絡が入った。ある事情から離婚したものの、今でも多賀を愛していた晴美は悲嘆に暮れる。容疑者としてあがったのは、なんと愛子の弟・信介!多賀が殺された前日、口論しているのを見られていたためだ。ショックはそれだけにとどまらなかった。数日後、晴美も鬼怒川の河原で絞殺されてしまう。真犯人は?二人とどんな接点が?そして、動機は?多賀と晴美の離婚の裏に隠された事情がこの事件の鍵を握ると考えた華子と信介は、離婚前の二人に何が起こったのか調べ始める。多賀は晴美の父の病院に勤めていた。そして、5年前、多賀のミスで女性患者が亡くなっていたことが分かった。殺意を抱いたであろうある人物が浮かび上がってくる・・・。証拠はない。しかし、華子はゴンベェの態度の変化から真犯人を確信する。それは意外な人物だった!!
沢口華子は愛ペットサービスで働く見習いペットシッター。夫に先立たれ2人の子供を育てる華子は正社員になるべく奮闘中だが、失敗の連続で怒られてばかりいる。ある日、美術商の女性社長・須田久子から依頼があり、華子と同僚の宮本充は2匹のゴールデンレトリバー、ダリとドガの世話を任された。ところが犬の世話で久子の自宅を訪れた華子と宮本は、久子の会社の経理担当・勝田の撲殺体を発見する。久子が夫・須田義雄宛てに「勝田を殺した。自分も死ぬ。」と言うメールを残して行方不明となったこと、さらに久子の親友で共同経営者の高城澄子が久子と勝田の不倫関係を暴露したことから、久子に勝田殺害の嫌疑が向けられた。一方、久子の娘・須田美紀は殺害現場となった自宅を離れ、久子と澄子が持っているアトリエでダリ・ドガと共に久子の帰りを待つことになった。しかし、願いも虚しく久子は水死体で発見され、美紀は全ての事実を知らされる。久子に裏切られたと失望する美紀に、華子は「死んだから終わりではない。お母さんを最後まで信じよう。」と励ますのだった。数日後、美紀から久子の遺留品が足りないと連絡を受けた華子は、他殺の可能性を考え真相の解明に乗り出そうとするが、事件から手を引かなければ殺すと脅迫の電話がかかってくる。
キャスト:研ナオコ、吉田日出子、黒田アーサー、阿部サダヲ、鷲尾真知子、石野真子
監督:中山史郎