ニューハンプシャー州に埋葬された伝説、GGアリン。ロックンロール史上最も凄まじいヴォーカリストである。GGはステージで排便し、ケンカし、セックスしたことで知られている。そのGGは1993年、36歳でヘロインの過剰摂取によってこの世を去った。それから20数年、母親のアリータと兄マールはGGの死に向き合いながら生きている。アリータはファンが追悼でGGの墓を訪れ、汚物を撒いていくことに嫌気がさし、墓を移転したいと考えている。そんなGGの姿は、母親が知る真の息子の姿ではないからだ。一方、兄のマールはGGのバンドであったマーダー・ジャンキーズを継続、GG関連のマーチャンダイズを細々と展開し、史上最も破滅的なロックンロールの魂を受け継ぎ、続けようともがく。暴力的な父親によって支配された貧しい幼い頃、大人になっても完全に欠如したまともな生活との境界線、そして薬物と暴力、刑務所で終ったGGの人生。アリータとマールは今の自分と、お互いに共通する過去との接点を探りながら日々を過ごす。