太平洋戦争末期に学徒出陣経験のある岡本喜八が、戦争の真実の姿を描こうと私財を投じてATGで映画化を実現した作品。主人公の兵士“あいつ”は、本土決戦のための特攻作戦の準備と称して、砂丘の穴に隠れて戦車に体当たりするというバカげた訓練に明け暮れている。一体何のために死んだらいいのかわからない。“あいつ”は艦隊を迎え撃つために魚雷にくくりつけられたドラム缶に入り敵艦の到着を待つが、糞尿処理船の船長に終戦を告げられるのだった・・・。68年度キネマ旬報ベスト・テン第2位。これがデビュー作となった大谷直子が初々しい魅力を放っている。