サキとスギちゃん。左半身に麻痺を抱える夫と深夜のファミレスで働く妻は、東京の片隅で生きている。「スギちゃんが描くと石とか草とか こんなにキレイだったのかって思うんだよね、だからさ、スギちゃんが描いてくれた自分の裸を見たとき、 初めてわたしの体が愛おしいものだって思えたんだ」サキは画家のスギちゃんの妻。スギちゃんは数年前に倒れて左半身が動かなくなり、すっかり絵を描かなくなってしまっていた。深夜のファミレスで働き生活を支えるサキは、彼にまた絵を描いてほしいと思っていた。道端の石ころや草花ばかり描いてたスギちゃん。そんな彼がサキのヌードを描きたいと言った時、彼女は本当に嬉しかったのだ。「また、わたしの絵を描いてくれるなら脱いでもいいよ」。しかし、スギちゃんは、サキに依存しなければ生きられない自分に苛立ちを感じていた。すれ違う身体と心。愛し合うことさえままならず、ふたりの間に大きな亀裂が生まれた日、サキはファミレスの同僚ユキオと結ばれる。そして、スギちゃんはサキと別れる事を決意するのだった。