世界で最も希少で高価な食材、アルバ産<白トリュフ>。その名産地である北イタリア・ピエモンテ州に、夜になると森に<白トリュフ>を探しに出てくる、まるで妖精のようなおじいさんたちがいる……というささやかな言い伝えがあった。未だかつて人の手による栽培が行われたことはなく、どのように、なぜそこに育つのか解明されていない<白トリュフ>。危険のつきまとう森の奥深く、老人たちは訓練された犬たちと共に、まるで宝探しを愉しむように、何世代にも伝わる伝統的な方法で<白トリュフ>を探し出す。気候変動や森林伐採により供給量が減り、世界中のシェフやバイヤーらがトリュフ探しの極意を求める中、彼らはトリュフが実る場所を決して誰にも明かさない。それは長年連れ添った妻や友人にさえも、絶対に――。