世界で最も有名な存命の芸術家、フェルナンド・ボテロ。彼の絵画は人間も静物もなぜだかみんなふっくら、ぷっくりと膨らみ、素朴でユーモアに溢れている。本作は、そんな南米のピカソとも呼ばれ、御年90歳を迎えた巨匠画家の素顔と絵画の秘密に迫るドキュメンタリー。幼い頃に父親を失った貧しい少年が、闘牛学校に通いながらスケッチ画を描いていた原点から、対象物をぽってりと誇張する“ボテリズム”に目覚め、《12歳のモナ・リザ》のMoMA展示で一躍注目を浴びアート界への頂点へと辿りついたその軌跡とは?成功の陰にはコロンビア出身という出自の差別、絵画への批判、そして愛息の死と自身の利き手の一部を失った悲劇も涙と共に語られる。幸せの絶頂からどん底へ落ち、絶望から這い上がったボテロの人生を、ぜひその目で確認を。