居並ぶ廷臣たちに迫られ、皇帝はついにはんけい誅殺の勅令を発した。銀容に続き、今度は息子の愛する者をも除かねばならない立場に苦悩しつつも…。

穆如寒江は、観星閣を炎上させて捕らえられた牧雲笙の命令を受け、蘇語凝をさらうように連れ出して帝都から出奔する。

300年前の八大部族決裂の源は、皇極経天派の祭司・苓羽烽がかけた血の呪いにあった。それを知った碩風和葉は、新たな鉄沁王として牧雲王朝と戦うことを決意する。

九州客桟の中、牧雲欒と牧雲徳は互いの腹を探り合っていた。牧雲徳は自分に野心がないことをさりげなく伝えるが…。

牧雲寒に宛てた孤松拓の書状を牧雲欒が手に入れた。牧雲厳霜の失踪を知ると、密かに書状をすり替え、瀚州に乱を起こそうと企む。

速沁部族は瀚州で唯一、朝廷から貿易用の鉄器を作ることを許されていたが、族長の紫炎は密かに武器をも作らせていた。

八大部族の族長に招集をかけるため、牧雲銀甲の伝令官が赫蘭部族を訪れる。だが、赫蘭鉄轅は命令を拒否し、伝令官を殺害。

蘇語凝を残して１人で一水村を出た穆如寒江は、かつて因縁のあった天羅の兄弟に捕まり、地下に連れ込まれる。

穆如槊の出征から１年が経っても瀚州の反乱を鎮圧することができず、軍も朝廷も苛立ちを募らせていた。

皇帝は側仕えの秦明を問い詰め、宴の日に牧雲笙が乱心したのは酒に入れられた薬のせいであることを突き止める。

ある晩、未平斎の門の鍵がひとりでに壊れた。兵士たちは魅の仕業だと怯え、戦場で戦って死ぬほうがましだと虞心忌に訴える。

突然参内した牧雲笙の姿を見て怯える重臣たちの声を受け、皇帝は牧雲笙に剣を向けた。しかし、かつて銀容を刺したことを後悔している皇帝は…。

瀚州の反乱から距離を置く３部族が、反乱側への合流をちらつかせ、朝廷に巨額の恩賜金を求めてきた。辺境戦は他人事だとばかりに非協力的な親王と、動かぬ廷臣。

速沁紫炎は寝床の中で、赫蘭鉄轅に碩風和葉への用心を促す。豪雪と兵糧不足で膠着が続く瀚州の戦況。

牧雲笙の命を狙う暗殺者の襲撃は、日に日に激しさを増していた。ある日、牧雲笙は暗殺者が放った針を受け、秘術の源である精神力を封じられてしまう。

龍錦煥に捕らえられた穆如寒江は、蘇語凝の命を助ける代わりに命令を聞くようき・いんそうに強要される。

牧雲勤は瀚州との不戦交渉を決断し、その命懸けの交渉役にふさわしい皇子は誰かと薛或に尋ねる。蟄居を命じられていた牧雲合戈の名が挙がり、勅命が出された。

九州客桟の牢に囚われていた穆如寒江は、主人の秦玉豊から母親の牧雲嫣が亡くなったと聞かされ愕然とする。

寒江の負傷により皇帝暗殺計画は頓挫。牧雲欒が次の一手として選んだのは皇后だった。牧雲欒は南枯明儀に想いを告げ、牧雲勤を殺すようけしかけるが…。

き・いんそうのもとを去ろうとした蘇語凝は牧雲徳に呼び止められた。そして、自分を救ったことが原因で寒江が母親を失ったこと…。

牧雲厳霜を救い出した碩風和葉が水を探しに行った隙に、厳霜は自ら命を断とうと胸に刀を突き立てる。かつて金珠海を失った悲しみから…。

自分の部族を引き連れて五部族連盟を脱退しようとした速沁紫炎を、赫蘭鉄轅はその場で殺そうとするが、碩風和葉の説得によって思いとどまる。

牧雲厳霜に施された秘術により、赫蘭の本営の所在が穆如鉄騎に知るところとなった。絶望した碩風和葉は、厳霜に“来世の約束”など忘れたと言い放つ。

南枯月漓に皇后の面影を重ねる牧雲欒は、世話をしてやると、再度月漓に申し出る。月漓はそれを断りながら…。

九州客桟の牢を出された寒江は、かつて山賊から救った高無音と再会する。成長した高は路然軽と名を改め、羽族の新たな王になっていた。

龍格の奴隷狩人に捕らわれていた鉄朶は、牢から解放されて索達猛の客分となる。その頃、東大陸では、瀚州への勅使として牧雲合戈が殤陽関を出発。

朝廷との秘密の交渉を赫蘭につかまれていると知った索達猛。朝廷が交渉に送り出した使者は死すべき謀反人の皇子であり…。

穆如軍と赫蘭軍の決戦の時が近づき、両軍の緊張は高まる。穆如寒山は父親に思いをぶつけ、赫蘭鉄轅は碩風和葉に胸のうちをぶつけ…。

和術紅玲は碩風蘇赫と別れ、穆如鉄騎で軍馬の世話をしている父親の和術卓卓と再会を果たした。そして、蘇赫のために赫蘭軍を勝たせようと…。

軍馬を失った穆如鉄騎は、絶体絶命の窮地に陥っていた。それでも栄光のために戦おうとする穆如寒山に対し、穆如槊は勝てない戦はしないと告げる。