納蘭嫣然（のうらん・えんぜん）が雲山（うん・さん）から奪った匕首は黒羅刹。海底に住む悪龍が変化したものであるゆえ“黒龍匕首”とも呼ばれている代物で、血宗の範ロウ（はん・ろう）が雲山に贈った神器だという。師姉の雲韻（うん・いん）から、自分の血を吸わせて黒羅刹の主となれば、これを従えることができると聞かされたその時、匕首が突然動き出した。嫣然は、この匕首こそ雲山が魂殿と通じている証拠になると考え…。

突如、迦南学院を守護する地心巨蟒が暴れ始めた。早く抑え込まなければ学院に危険が及ぶが、地心巨蟒の力は強大で闘帝以外に封印できる者はいない。緊急事態に頭を抱える長老たち。実は、これまで穏やかだった地心巨蟒の急な暴走は、韓楓（かん・ほう）の企みによるものだった。雲山（うん・さん）から焚天錬気塔を壊すように命じられた韓楓は、邪派の物に反応する地心巨蟒を刺激すべく、範ロウ（はん・ろう）の血を床に垂らし…。

蕭炎（しょう・えん）は言い知れぬ重圧を感じていた。予言の英雄かもしれないと言われても、自分が皆を率いて魂滅生（こん・めつせい）を封じ、闇を除く存在だとは到底思えない。米騰山（べい・とうさん）は、苦悩する蕭炎に、予言に囚われないよう忠告し、本当に予言の英雄だとしても、天下のために犠牲となる覚悟ができていないのは当然だとなだめた。一方、納蘭嫣然（のうらん・えんぜん）と蕭炎の決闘を心配する蕭薫児（しょう・くんじ）は…。

範ロウ（はん・ろう）との戦い半ばで魂殿から戻った蕭炎（しょう・えん）は、祭壇を破壊して父・蕭戦（しょう・せん）をはじめとする五大家族の傑士たちを救い出すこと、そして魂滅生を封じることを改めて誓った。彼が“予言の英雄”として危険に身を投じる覚悟をしていることに不安を覚える蕭薫児（しょう・くんじ）だが、“お前だけは絶対に守り抜く”と約束してくれたことを喜ぶのだった。ところが翌朝、蕭炎は黙って姿を消し…。

蕭（しょう）家の者を皆殺しにし、父を魂殿に送った雲山（うん・さん）を討つべく、戦いを挑む蕭炎（しょう・えん）。雲山が雲煙覆日の陣の形成を命じ、蕭炎を迎え撃とうとしたその時、飛んできた光の矢が陣を打ち破った。蕭薫児（しょう・くんじ）が援護に駆けつけたのだ。さらに、宿敵・莫（ばく）家討伐の機会をくれた蕭炎に恩を返そうと、蛇人国の一軍と女王・美杜莎（メデューサ）も加勢に参上。ここに、壮絶な決戦の火ぶたが切って落とされた…。

イー・ペイがイー・チントンの鼻を明かし新築マンションの共用施設にジアチョンの設計が採用されるが、ジエンの携帯に脅迫電話がかかってくる。しかも、ハンリーから呼び出されて待ち合わせの劇場に行ったジエンは、何者かに襲われ絶体絶命の危機に！　その時、ジエンからのSOSで駆けつけたジアチョンが間一髪で彼女を救い…。

ジエンに危険が及んだことを心配したイー・ペイはウェンウェンにハンリーの素行調査の結果を見せる。そこで彼がイー・チントンにお金をもらって嘘をついていたと知ったウェンウェンは自暴自棄になり、助手席にハンリーを乗せたまま車を暴走させて事故を起こす。一方、ジエンはジアチョンがシャオジンと別れたことを知るが…。

これからは自分自身の力を試そうとジアチョンが都市建設事務所を辞職。そんな彼を応援するジエンは新しい住まいを探す彼を積極的に手伝い、二人で古いがベランダのある素敵な部屋を見つける。その後、ジエンはジアチョンに「私を愛するまでは他の人を好きにならないで」と未来の二人の思い出にちなんだあるものを渡し…。

引っ越しするジアチョンの前にシャオジンが現れ、彼を侮辱して去っていく。一方、ジエンはジアチョンの新居のリフォームを手伝い、どんどん親密になっていく。そんなある日、待ち合わせにジアチョンが現れず心配になったジエンは彼の家へ。そこでカゼをひいた彼を見つけ一晩中、看病する。すると翌朝、目覚めたジアチョンは…。

ジアチョンの誕生日にサプライズで二人だけのパーティを開いたジエン。彼から転職先がようやく決まりそうだと聞いて喜ぶが、それは5年間の香港勤務が条件だった。そこで彼女は「チャンスを逃さないで」と言うが心はもやもや。イー・ペイからのアドバイスもあり、思いきってジアチョンに「離れたくない」と本心を伝えるが…。

香港行きをやめたジアチョンから告白され交際を始めたジエン。彼女は母親にもジアチョンを紹介し幸せいっぱいだった。だが、大学の卒業式の日に母親が倒れ、ガンが再発したのではないかと心配に。そのせいで注意散漫となり仕事中に転んでケガをしてしまう。イー・ペイはそんなジエンを抱き上げると急いで病院へ連れていき…。

海外で療養中のウェンウェンのブログをチェックするイー・ペイはジエンのブログも読むようになり、その内容から目が離せなくなる。一方、ジエンはガンが再発した母親に手術を受けてもらおうとするが、お金の心配をする母親は頑なに拒む。そんな中、ジエンを支えようとエンフェイの仕事を手伝うようになったジアチョンは…。

偶然出くわしたシャオジンからジエンの悪口を聞かされたジアチョンは「僕の過去から君を消す」と宣言する。すると、シャオジンは腹いせにジエンの職場に行って仕事にクレームをつける。それを見たイー・ペイは公私混同はやめるようにと彼女を追い払い、ジエンに困ったことがあれば何でもまず自分に相談するようにと言って…。

ジエンの母親の手術が成功したのを見届けたジアチョンは国際コンペに参加するため英国へ。そこで、シャオジンも新しい婚約者チェン・クーとコンペにエントリーしていると知る。しかも、彼らの作品はジアチョンの出品作“霊鳥”とそっくりだった。そのせいで盗作を疑われたジアチョンは自分の方がオリジナルだと訴えるが…。

盗作の汚名を着せられてコンペで失格となったジアチョン。彼はシャオジンと話し合おうとするが取りつく島もなく途方に暮れる。一方、ジエンはイー・ペイとリゾート開発計画がある青林へ出張。その晩、懐かしくなって独りでジアチョンの実家を訪ねるが、窮地に陥ったイー・ペイから何度も携帯に着信があったことに気づかず…。

自暴自棄になってお酒に溺れた上、荷物を失くして行き倒れたジアチョンを救ってくれたのは、イー・ビーヤーという中国女性だった。一方、ジアチョンと連絡がつかなくなってやきもきしていたジエンはやっと彼から電話が来て安心する。だが、落ちこむ彼を励まそうと未来を明るく語る彼女の言葉にジアチョンは苛立ちを見せて…。

仕事を休んで急遽英国へ飛んだジエンがジアチョンと会えず落胆しているとイー・ペイが現れる。そして、彼の案内でイー家のロンドンの住まいを訪れたジエンは、ジアチョンが書いた“霊鳥”の絵を見つける。一方その頃、帰国したジアチョンとビーヤーはイー・チントンの出迎えを受ける。なんとビーヤーは彼の妹だったのだ…。

盗作の汚名を晴らすことができず信用を失ってしまったジアチョンは初めての挫折に苦しみ、ジエンの励ましや協力すら重荷に感じ始めていた。一方、イー・ペイは急に帰国して結婚すると言い出したウェンウェンにディナーに引っ張り出される。だが、彼はウェンウェンを放り出してシャオジンの父親であるソン所長に会いに行き…。

ジエンの母親は治療をやめて余命を好きに過ごしたいと娘に伝えるが、今度こそ母親を助けたいジエンはそれに納得せず病院を探し始める。すると、イー・ペイが英国の病院を紹介してくれるが、ジエンは彼の好意には甘えられないと断り、会社も辞める決心をする。一方、イー・ペイはジエンへの気持ちこそ愛なのだと自覚すると…。

イー・ペイに引き止められても辞職の決意が固いジエン。しかし、そんな彼女にジアチョンが突然、別れを切り出し、大きなショックを受けたジエンは倒れてしまう。実は、ジアチョンはジエンの幸せのために自ら身を引こうと考えていたのだ。そのことに気づいたビーヤーはジアチョンに自分が経験した辛い恋について打ち明け…。

体調が回復したジエンは病院を退院し、イー・ペイの手配で母の治療に付き添い英国へ行くことに。それを知ったジアチョンは出発間際の彼女に別れを告げる。それから6ヶ月。帰国したジエンは関係者が集う易茂グループ会長の誕生日パーティに出席する。そこには今やイー・チントンの会社、易東で働くジアチョンの姿もあった…。

順嬪潰しに失敗した皇后は万寿（ばんじゅ）寺の住職を使い、順嬪を和安公主の生まれ変わりと思い込んだ皇太后に警告を与える。皇太后はさっそく瓔珞と順嬪を呼び出して事実を追及するが、順嬪は乾隆帝が密かに教え込んだとおりに和安公主を演じて皇太后を上手くだまし、瓔珞ともども処罰を逃れる。一方、瓔珞は年季明けを控えた明玉（めいぎょく）と海蘭察（ハイランチャ）の縁談を進めるが、ある日、明玉を激痛が襲う。自分の命が長くないことを知った明玉は、頑なに縁談を拒み…。

瓔珞は自分の果たせなかった夢を託すように、明玉のために婚儀の支度に精を出す。海蘭察と傅恒も婚礼を楽しみにしていた。しかし当の明玉は、体内の銀針に命を蝕まれている事実を隠したまま、瓔珞に縁談を白紙に戻してほしいと懇願する。そんな中、明玉のもとに順嬪から祝儀の品が届き…。一方、順嬪は、かつて瓔珞が傅恒に贈った香り袋に施した「藤豆（ふじまめ）と蜻蛉（とんぼ）の刺繍」を利用して、瓔珞をめぐる傅恒と乾隆帝の心をかき乱そうとしていた。

瓔珞は順嬪が明玉に死を唆したことを知る。怒りに燃える瓔珞は、順嬪の宮殿に乗り込んだ。だが順嬪はハサミで自分の胸を刺すと、瓔珞に罪をなすりつける。順嬪を傷つけたとして皇太后の信頼を失った瓔珞は、乾隆帝の命令で延禧宮に軟禁された。側近の太監にも裏切られた瓔珞は、袁春望（えんしゅんぼう）の指示で毎日1杯の粥しか与えられず、みるみるうちに衰弱していく。一方、乾隆帝と事あるごとに対立していた傅恒は突然、順嬪に呼び出されて…。

寵愛も得られず病で衰弱しきった瓔珞は、順嬪から紫禁城（しきんじょう）に見切りをつけて傅恒と駆け落ちすればいいと勧められる。順嬪は傅恒にも瓔珞を救うには駆け落ちするしかないと言い、警備が手薄になる日まで調べてくれるのだった。しかし、その裏では乾隆帝に駆け落ちのことを密告していた。当日の朝、乾隆帝は城門の封鎖を命じ、玉泉（ぎょくせん）山へ水をくみに行く荷車を取り押さえる。順嬪の計画どおり、水桶の中には瓔珞が隠れていると思われたが…。

ついに化けの皮がはがれた順嬪は、正気を失ったと見なされ麗景軒に監禁される。一方、難を乗り切った瓔珞だったが、だまされたことを知った皇太后から激怒される。そこへ葉天士（ようてんし）が瓔珞の懐妊を知らせると、一転して瓔珞はおとがめなしとなり、乾隆帝と改めて愛を確かめ合う。そんな中、寵愛を取り戻した瓔珞のもとを皇后が訪れる。瓔珞が皇后の座に興味のないことを知ると、子を犠牲にしないことを条件に休戦協定を結ぶのだった。

10年の歳月が過ぎ、皇后は自らの老いに怯えて気難しくなっていた。一方の瓔珞は相変わらず深い寵愛を受け、美貌も衰えることなく自由気ままに暮らす。乾隆帝が最も目をかけている、愉妃（ゆひ）の息子である第五皇子も瓔珞を実の母のように慕い、何かと気にかけていた。皇后に仕える袁春望は、この状況に危機感を覚える。皇后の息子であり嫡子の第十二皇子を帝位につけるべく、ほかの皇子を手にかけるよう皇后を唆し、さらに弘昼（こうちゅう）にも働きかけ…。

第四皇子は優秀な第五皇子が乾隆帝のお気に入りであるのを妬み、銃の演習で恥をかかせようと側近の太監を使って第五皇子愛用の銃に細工をさせた。演習当日、第五皇子は銃の事故によって脚に障がいが残るほどの重傷を負ってしまう。傅恒は瓔珞に、これは事故ではないと言われ、第四皇子が太監を武備庫に入らせていた記録を発見する。第四皇子に暗殺の疑いがかかる中、皇后に毒を盛られたと聞いた第四皇子は大きな衝撃を受けるが…。

第五皇子を陥れたという疑惑を払拭できなかった第四皇子は収監されてしまう。袁春望の策略どおり、皇子2人が帝位争いから失脚し、第十二皇子が最も有力な世継ぎ候補となる。だが、母親である皇后は周りから疑いの目で見られたうえ、絶え間ない頭痛に襲われ、心身ともに疲弊していた。乾隆帝は皇后の体を気遣い、長旅となる南巡には随行せず、皇宮で養生するよう勧めるが、皇后は随行せねば威厳を損ねると拒み、両者の溝はいっそう深まる。

瓔珞の息子である第十五皇子は何者かによって毒を盛られるが、運よく一命をとりとめる。皇太后は舒妃から、次々と皇子たちを襲った一連の災難が、我が子を世継ぎとするための皇后の仕業ではと聞かされ、皇后を厳しく叱責。一方、乾隆帝は皇太后に、瓔珞を事実上の皇后代理である皇貴妃に即位させ、病の皇后に代わって後宮を任せたいと相談していた。それを知った皇后は衝撃を受けるが、袁春望にけしかけられた弘昼に乾隆帝の暗殺を持ちかけられ…。