滄流の将軍である羽幻（うげん）と戦うことになったそぼ。隙をついて白瓔と那笙はその場を脱出し、さらに皇天と后土の力を合わせて真嵐は遂に実体化した。そぼの助太刀に向かった白瓔は光剣を使う羽幻を見て、同門ではないかと不安を覚える。そぼは助けに来てくれた白瓔に感謝を告げるが、彼女から再会したいと願ったことなどないと言われ…。

羽幻の命を狙った鮫人の瀟（しょう）は、炎汐（えんせき）をおびき寄せるおとりに使われる。炎汐はなんとか逃走するが、手傷を負う。作戦が失敗した瀟を南昭（なんしょう）が始末しようとするが、羽幻は自分の部下にすると告げ彼女を連れ去る。一方、桃源郡にやって来た那笙は、あやうく人買いに売られそうになるが、そぼに助けられる。そぼは如意が経営する賭場を訪れ鮫人の状況を知ると…。

そぼに言われ桃源郡の外にいた那笙は、そこで瀕死の炎汐を発見。貴重な薬草である雪罌子（せつおうし）を使って炎汐を助けるが、追手から逃げるため桃源郡へ向かう。一方、炎汐たちを見つけたそぼは手当てをするため如意の営む賭場へ行くが、たまたま店に来ていた西京と出会う。そんな中、那笙の心配をして桃源郡に来た白瓔は彼女と賭場に入るが…。

賭場の隠し部屋にいたそぼと再会した白瓔が、術の反動で様子のおかしいそぼに戸惑っていると、そのうち彼は気を失ってしまう。一方、炎汐を捜していた那笙が如意を問い詰めていると、賭場に滄流兵を率いた羽幻が現れる。そぼを見つけるため屋敷を捜索していたが、発見する寸前、高舜昭（こうしゅんしょう）総督が駆けつける。やむなく羽幻は引き上げることにするが…。

羽幻は鮫人の法力で操縦する飛行機械である風隼（ふうしゅん）の部隊を桃源郡へ発進させることを決意。羽幻に救われた瀟が滄流軍の一員として出撃することになる。一方、西京と再会した真嵐は、皆で賭場から脱出しようとする。だが、滄流兵の追撃に阻まれて乱闘のさなか、日光に当たった白瓔は倒れてしまう。賭場に連れられて来た白瓔をそぼが助けようと試みるが…。

剣聖門の秘訣“寂（せき）”で深い眠りについた白瓔を心配したそぼは、雪桜花の香り袋で意識を取り戻させる。一方、羽幻率いる風隼の軍勢が、那笙の持つ皇天を求めて押し寄せていた。桃源郡の街は破壊され、那笙は追い詰められる。西京の力で羽幻を追い払うが、瀟の妹である汀（てい）は命を落とす。そぼの力で風隼を撃退することはできたが、滄流に桃源郡が包囲され…。

桃源村に空桑人を留めることに反対だという如意に、そぼは彼らと力を合わせて滄流に立ち向かわなければ対抗できないと説得する。一方、汀の葬送を行ったその夜、西京はそぼに、鮫人が碧落海に帰れるよう尽力することを誓う。そんな中、海皇帰還を聞いて桃源村に駆けつけた泉先軍の戦士、寧涼（ねいりょう）らは、空桑人が村にいることを知り不安を抱くが…。

そぼは白瓔の部屋を訪ねるが、2人の気持ちはすれ違ったままとなる。一方、滄流では風隼の大群が桃源郡を壊滅させたことの責任を負って、羽幻が五師たちに裁かれていた。そんな中、真嵐は泉先と空桑が故郷に帰るには、互いが協力するのが一番だと説得してそぼに手を結ぼうと持ちかける。だが、そぼは空桑の裏切りを恐れ返事を保留にして…。

炎汐が碧落海に帰れるまで恋愛できないと知った那笙は、皇天の力で彼が故郷に帰れるよう手助けしたいと考える。一方、空桑との協力をためらうそぼを説得するため、白瓔はそぼの部屋へ。そぼは白瓔が自分を気遣ってくれることを知り、空桑に協力することを決意。炎汐たちを交えて空桑との軍事同盟に関して議論をしていると、突然風隼部隊に空襲され…。

泉先と軍事同盟を結ぶことにした真嵐は、那笙を西京に預け2人を隠れ家へ案内する。一方、鏡湖に帰ってきたそぼは海皇として皆に温かく迎えられた。泉（せん）長老に渡された氷晶にいた溟火（めいか）から、鬼神淵（きしんえん）の結界を破るには皇天の力が必要だと聞いたそぼは、そこに空桑の帝王の力が働いていることに気づく。そんな中、白瓔はそぼの力のことについて調べていると…。

そぼの得た力の反動で体に負担がかかっていることを心配した白瓔は彼に会いに行き、体を大事にして欲しいと告げ治療をする約束をした。一方、鬼神淵に那笙を連れて行く方法を模索する真嵐たちは、辟水珠（へきすいじゅ）という身につければ深い水の底も歩ける宝石があることを知る。そんな中、同盟を結びたいと師彭に招かれたそぼは滄流の軍営を訪れるが…。

そぼは師彭に皇天と后土を一緒に引き渡すと約束をして帰ろうとするが、それを怪しんだ羽幻は鮫人を閉じ込める金色陣網（こんじきじんもう）を発動。古代空桑の王族のみに伝わる秘術でそぼを捕らえようとする。そぼを救うべく滄流軍営に乗り込んだ白瓔のおかげで危機を脱するが、滄流の殺戮を恐れる泉先の長老たちは那笙を差し出して鮫人の民を救おうと考え…。

那笙を捕まえた虞（ぐ）長老は滄流に鮫人の殺戮をやめさせるため彼女を引き渡そうとするが、師彭に騙されて滄流軍に包囲されてしまう。そこへ空桑の六王が助勢に現れたが、今度は六王が滄流の法術に体の自由を奪われてしまう。一方、そぼは裂の術を使用して、滄流の軍営を急襲。さらに六王たちの危機を救うが、白瓔は昏睡状態になってしまい…。

虞長老と寒洲（かんしゅう）の死を己の過ちと感じる寧涼は、那笙を命懸けで守ると誓う。一方、風隼庫焼失と軍営の損害の責を負って、師彭の兵権が剥奪される。鷙者の治療によって血契で受けた傷から立ち直った羽幻だが、師彭に忠誠を疑われることになる。そんな中、霊識の損傷から回復した白瓔は、真嵐とともに泉先本営を訪れるが、そぼは彼らを避ける態度をとり…。

那笙が披露した音を遮断する泡に包まれた白瓔は、そぼが訪ねて来たのに気づかないまま胸の内を吐露してしまう。それを聞いたそぼは陽光に弱い白瓔を守るため、自らの霊識を映して作る避光珠（ひこうじゅ）を作る決意を固める。一方、無色城の水鏡に映った不気味な男の目をどこかで見た気がする真嵐。そぼにそのことを話し、鏡塔に入りその男に会いに行くことを告げ…。

水鏡の男に鏡塔へ来いと言われた真嵐はその男を探るため、西京と鏡塔に行く。真嵐が天廟で男と会っている間に、西京が蔵書閣に忍び込んで玄黄経（げんこうけい）の下巻を探すことに。一方、鏡城で花神節が行われると知った那笙は炎汐と白瓔を誘って遊びに行く。炎汐からそぼが一晩中自分を待っていたと聞かされた白瓔は、花神節に彼が現れることを期待するが…。

白瓔と一緒に花神節を楽しんだそぼは日の出を見ようと提案。白瓔はそぼに貰った避光珠のおかげで久々に日の出を見ることが叶う。一方、鷙者に会った真嵐は気がつくと浜辺にいた。急いで西京のいる小屋へ行き鏡塔での顛末を聞いた真嵐は、鷙者が自分の父ではないかと疑う。そんな中、真嵐と鏡塔での話をしたそぼは鷙者こそが本当の敵だと判断し…。

九屹（きゅうきつ）山を前にした一行は、二手に分かれることにし、辟水珠のある左峰には皇天を持つ那笙と真嵐、西京が、闢天（へきてん）剣の眠る右峰にはそぼと白瓔が向かうこととなる。そぼたちは途中、鮫人の天香（てんこう）夫人が営む秘密連絡所の酒楼に立ち寄り、右峰にある迷霧（めいむ）の森の情報を得る。一方、左峰に向かう道中、休憩を取っていた真嵐は西京に白瓔への想いを吐露するが…。

迷霧の森に来たそぼと白瓔は瘴気にあたりながらも前進するが、姿を見せない敵に襲われて逃げていた。一方、鷙者は羽幻を呼び出して九屹山に行きそぼを殺すように命じる。そんな中、左峰へと入った真嵐たちは皇天の導きによって白薇（はくび）の衣冠塚（いかんちょう）へと辿りつく。九屹王宮侍女の離珠（りじゅ）と出会った真嵐は、墓参りの参拝者を装って衣冠塚を案内してもらい…。

そぼから鏡の術を会得した経緯を聞いた白瓔は、反動が強すぎることを心配して術を使わないように忠告する。一方、九屹王宮に着いた羽幻は九屹王青駿（せいしゅん）に協力を要請し、集った九屹の兵に侵入者を殺すよう命じる。そんな中、植物を操る莵蘿（とら）に襲われるそぼたちだが、莵蘿の狙いは白瓔だった。そぼに助けられた白瓔は戦いの中で白麟の姿を見かけて…。

青駿に会った真嵐は太子の身分を明かして、星尊（せいそん）王の墓へ案内してもらえることに。一方、迷霧の森で白瓔と再会した白麟は先王谷までの案内を申し出るが、姉が自分よりもそぼを思いやる姿を目の当たりにして怒りが増す。先王谷に着いたそぼは子どもの時に助けてくれた朱顔（しゅがん）の墓を見つけ、白瓔に彼女と亡き弟である蘇諾（そだく）の話をしていると…。

先王谷でそぼと白瓔を待ち構えていた羽幻は、霊識を使って発動する火陣を繰り出す。倒れた白瓔だけを救出した白麟だったが、実は密かに羽幻と通じていた。なんとか羽幻を倒したそぼだが深傷を負ってしまう。そぼを救おうとする白瓔の前に莵蘿の雅燃（がねん）が現れ、清水のある場所へ案内する。助かったそぼは雅燃たちの身の上を聞き、必ず碧落海に帰すと誓い…。

離珠の案内で星尊王陵墓への入り口にある生死（せいし）亭にたどり着いた真嵐たちは、結界で閉じ込められてしまう。わざと危険な場所へ連れてきたことを告げる離珠だが、真嵐は罠を承知で生死亭に入る。一方、そぼと白瓔が地下道を抜けた先にも、もう1つの生死亭があった。霧の中、2つの生死亭で互いに向けて矢が放たれるが、そぼが手に入れた闢天剣の力を使い…。

そぼと白瓔は自らが犠牲になって真嵐たちを先に進ませる決断をし、共に生き延びることを誓いながら弱水の中に飛び込む。一方、2人の犠牲を悲しみながらも王陵墓へ向かう真嵐たち。途中で那笙が何者かにさらわれてしまい、後を追いかけると星尊王の棺に辿りつく。那笙を見つけた真嵐だったが、すでに棺は開かれて六合の封印を持ち去られてしまい…。

青辰（せいしん）の罠にかかり王陵墓で閉じ込められたそぼたちだったが、雅燃の助けで逃げ出すことに成功。その代償で力を使い果たした雅燃は消える前にそぼへ辟水珠を渡す。そぼたちはその足で六合の封印を持つ青辰と羽幻を見つけ、闢天剣の力で彼らを圧倒。追い詰められた青辰はそぼに一矢報いるため、無色城を開城させると白瓔に代償があることを告げ…。

青辰を倒した真嵐は無色城を開城させると六王が灰となって消える事実を知り、動揺を隠せなかった。一方、莵蘿たちを碧落海に帰したそぼもまた、白瓔が消えてしまうという事実を知り悲しみに打ちひしがれていた。そんな中、九屹では青駿が亡くなり滄流軍の襲来に困惑する。真嵐は六王のせいげんに統治を任せるが、白瓔が消えてしまうことを心配し…。

西京に励まされ太子の使命を全うしようと意を強くする真嵐。そこへ飛廉率いる滄流の追っ手が現れ、炎汐と那笙は飛廉（ひれん）を気絶させて人質に取る。一方、羽幻はそぼを捕らえたという偽の情報を流し、白瓔を捕まえて鏡塔へと送る準備を進める。そんな中、そぼは白瓔がずっと自分のことを想ってくれていたことを知るが、術の反動で意識を失い…。

滄流の成り立ちを知ったそぼは鷙者が自分に鏡の術を授けたことを知る。一方、鏡塔で鷙者と対峙する白瓔は、避光珠の中で霊識が目覚めたそぼと脱出の糸口を探すことに。鷙者が白薇との出会いと別れを話すのを聞いて、白瓔は鷙者こそが星尊王・ろうかんではと疑う。一方、意識を取り戻したそぼは、一瞬の隙をついて鷙者から逃げ出した白瓔を助け出すが…。

倒れた真嵐を救うため、海の底にある鬼神淵に眠る六合の封印を解くことにした那笙と炎汐。貝の化け物、蜃（しん）の妨害にあうが、機転を利かせて封印を解くことに成功する。しかし、那笙が蜃の攻撃で辟水珠を失い、炎汐は溺れる彼女を救うため口づけをすると、体に大きな変化が現れる。そんな中、白瓔は鷙者に渡された紙を真嵐に預けると…。

鷙者の正体は星尊王で間違いないと確信したそぼと真嵐は、次の計画を進めようとしていた。そぼは白瓔に、真嵐と共に鷙者の狙いを調べるよう頼む。一方、羽幻は敵と内通した罪で投獄された飛廉に会いに行き許しを請う。そんな中、そぼは龍神の封印されている困龍淵（こんりゅうえん）を滄流が潰そうと動いていることを知り、予定より早く封印を解きに行こうとするが…。