夷蘭は蕭烏骨里に、韓徳譲（かんとくじょう）に反感を抱く耶律虎古（やりつここ）を利用する策を持ちかける。そんな中、蕭燕燕は蕭烏骨里を訪ね、せめてもの慰めに蕭烏骨里の義父・耶律李胡（やりつりこ）を皇帝に追封する。礼を述べる蕭烏骨里だったが、蕭燕燕が去ると、さらに恨みを募らせるのだった。ともに生まれ育った姉妹の絆を信じる蕭燕燕だったが、韓徳譲はひそかに蕭烏骨里の監視を命じる…。

南朝軍北伐の最中、党項の李継遷（りけいせん）は南朝に背き、遼に救いを求めた。蕭燕燕はこの李継遷を助け、貴族の娘を嫁がせることで救援の名目にしようと考える。花嫁候補に蕭海瀾（しょうかいらん）の名が挙がると、彼女に想いを寄せる耶律斜軫は狼狽えるのだった…。南朝軍を退け戦が収束した矢先、蕭燕燕は蕭烏骨里から誕生祝の宴に招待される。思わず相好を崩す蕭燕燕だったが…。

蕭烏骨里が蕭燕燕に注いだ酒を毒酒と見破った韓徳譲は、間一髪のところで蕭烏骨里を捕らえる。逆上した蕭烏骨里は、蕭燕燕への憎しみと、かつて耶律罨撒葛（やりつえんさつかつ）を殺したのも蕭燕燕だと暴露。蕭胡輦は必死に妹たちの諍いを止めようとするが、蕭烏骨里は酒壺の毒酒を自らあおって死んでしまう。韓徳譲は、一連の黒幕は耶律道隠ではないかと疑っていた…。

夷蘭が死罪となり、3年が過ぎた。蕭燕燕は姉たちとの別離に心を痛めながら、韓徳譲の補佐のもと政務に励んでいた。そんな時、朝廷での漢人台頭に耶律虎古ら皇族たちが反発。蕭燕燕は宮中で韓徳譲の誕生日を祝う宴を開き、権威を示すことにする。一方、北方を守る蕭胡輦は、馬飼いの青年・撻覧阿鉢（たつらんあはつ）と出会う。自由奔放に生きる彼に惹かれていくが…。

蕭燕燕は耶律隆緒の想いを知り、蕭菩薩哥（しょうぼさつか）を娶らせることにした。蕭菩薩哥は韓徳譲の姪だったため、耶律虎古は韓徳譲への嫉妬を一層、募らせる。そして朝議で蕭燕燕の隠居を要求したが、大于越である耶律休哥（やりつきゅうか）にたしなめられたうえ、耶律磨魯古（やりつまろこ）が投獄されてしまう。同じ頃、北方では蕭胡輦が撻覧阿鉢を将軍に引き立て、近衛を率いるよう命じていた。

韓徳譲から本心を打ち明けられた蕭燕燕は、かつてあつらえた漢式の婚礼衣装を身にまとい、大丞相府にやって来た。祝宴が始まると、蕭燕燕は韓徳譲が皇族に名を連ねることを命じ、2人はついに結ばれるのだった…。数年後、北方の様子を探らせていた耶律隆緒は、蕭胡輦が率いる国阿輦（こくあれん）斡魯朶（オルド）の兵権を没収し、南征に加勢させてはどうかと提案する。

蕭燕燕は、病床の耶律休哥に出征の目的を聞かれ、南朝との対立を解決するためだと打ち明ける。ほどなくして、これまで生かして厚遇してきた王継忠（おうけいちゅう）を使者にすると、宋（そう）と和議を結ぶことに成功する。一方、姉妹の情にほだされた蕭胡輦は、撻覧阿鉢を連れて上京へ戻ってきた。祝宴の席で耶律隆緒が蕭胡輦に兵権返上を求めると、和やかな雰囲気が一変し…。

耶律隆緒を襲った撻覧阿鉢は斬首されることに。蕭胡輦はついに牢を破り撻覧阿鉢を救出、一路可敦（かとん）城へと戻る。だが朝廷の大軍は容赦なく攻め込み、蕭胡輦を守ろうとして斬られた撻覧阿鉢は息を引き取るのだった。蕭胡輦は「妹などいない」と言って蕭燕燕のもとを去る。時が経ち、老いて摂政の座を退いた蕭燕燕は、病の床で姉のことを案じていた…。

燕山派の君未期（くんみき）は自分を蹴飛ばした百花門の離一心（りいつしん）のことが忘れられず独りで百花門に忍び込むが、花鏡湘（かきょうしょう）に追われて逃げるはめに。それを助けたのは燕山派の第四代弟子で唯一、長生功を習得している大師兄・朝行暮（ちょうこうぼ）だった。そんな朝行暮に心を奪われてしまったのが月清秋（げつせいしゅう）。彼女は花鏡湘の文を燕山派に届ける役目を引き受けると…。

山中で道に迷い足を挫いた月清秋（げつせいしゅう）の目の前を偶然、朝行暮（ちょうこうぼ）が通りかかる。彼は塩対応だったが、月清秋が足を滑らして崖から落ちたところを救ってくれて二人きりで一夜を過ごすことになる。一方その頃、百花門は月清秋が帰ってこないと大騒ぎに。翌朝になると青筋を立てた花鏡湘（かきょうしょう）が弟子たちを引き連れて燕山派に乗り込んできて…。

燕山派の二師兄・顧玉郎（こぎょくろう）は偶然助けた成城（せいじょう）から思いがけない事実を聞いて驚く。一方、朝行暮（ちょうこうぼ）は百花門に行って月清秋（げつせいしゅう）とともに現場監督として山門の修繕を進める。すると、二師姐・玉玲瓏（ぎょくれいろう）が師妹たちを引き連れ朝行暮を成敗すると騒ぎ出す。また、君未期（くんみき）は離一心（りいつしん）と仲良くしようとするが、彼女は燕山派を滅ぼすと息巻いて…。

明日は燕山派の掌門を選出する日。師匠・鉄流風（てつりゅうふう）の命を受けた顧玉郎（こぎょくろう）は朝行暮（ちょうこうぼ）と君未期（くんみき）の師匠・唐宗沢（とうそうたく）が掌門になるのを阻むため百花門の山門を壊そうとする。一方、月清秋（げつせいしゅう）の恋を応援する玉玲瓏（ぎょくれいろう）も朝行暮を引き止めるため山門を壊そうと画策。その結果、図らずも顧玉郎に怪我をさせてしまった玉玲瓏は彼の看病をするはめになり…。

唐宗沢（とうそうたく）が三代目掌門になるのを後押しした二代目掌門・羽成仙（うせいせん）は独りで洞窟へ。そこにいたのは彼の延命治療で眠り続ける百花門の韶華（しょうか）だった。一方、鉄流風を掌門にすべく暗躍する顧玉郎（こぎょくろう）は百花門を訪ねるが、花鏡湘（かきょうしょう）に捕らわれ斬首されそうに。そのため彼は仕方なく成城（せいじょう）の母で花鏡湘の師妹だった夏新荷（かしんか）の陰謀について明かすと…。

君未期（くんみき）は羽成仙（うせいせん）に世間を見るのも大事だと言われて一緒に遊歴へ。一方、玉玲瓏（ぎょくれいろう）は成城（せいじょう）が夏新荷（かしんか）の息子で母親の復讐を止めたいと思っていることを知ると百花門に連れ帰る。だが、息子の裏切りに気づいた夏新荷が素早く行動を開始。燕山派に忍び込んで亡き夫・成功（せいこう）の師兄・唐宗沢（とうそうたく）の心脈を断つと、今度は百花門で花鏡湘（かきょうしょう）を襲って…。

唐宗沢（とうそうたく）と花鏡湘（かきょうしょう）の姿が消え、夏新荷（かしんか）の復讐が始まったと気づいた燕山派と百花門に緊張が走る。その頃、唐宗沢は夏新荷に花鏡湘の命だけは救ってほしいと頼んでいた。そんな彼を見て花鏡湘も隠してきた唐宗沢への愛を打ち明ける。しかし、復讐心に燃える夏新荷はかつて自分と成功が着るはずだった婚礼衣装を二人に着せると…。

夏新荷（かしんか）の要求に応え掌門の地位を捨てて婚儀を行なった唐宗沢（とうそうたく）と花鏡湘（かきょうしょう）。二人は相互作用のある燕門派の長生功と百花門の幻花神功を使って互いの力を回復すると夏新荷に立ち向かう。だが、夏新荷に勝てず、花鏡湘は最後の手段として焚心印で戦うことに。この技を使った者は男性に心を動かすと五臓が焼かれて死ぬ運命だったが…。

拾われた頃に体が弱かった君未期（くんみき）は羽成仙（うせいせん）に長生功を注入されて生き長らえたが、それが武芸の上達を妨げていた。その問題を解決するため羽成仙は君未期を連れて昔馴染みの黒狗（こくく）を訪ねる。その頃、燕山派と百花門は速やかに新しい掌門を選出する必要に迫られていた。そんな中、羽成仙が不在の燕山派ではまたも議論が紛糾し…。

燕山派では朝行暮（ちょうこうぼ）と顧玉郎（こぎょくろう）が話し合い、まず顧玉郎が代理掌門となり、その後は朝行暮と交代で掌門を務めて百花門と共存できるよう掟を変えていくことに。一方、月清秋（げつせいしゅう）は百花門の掌門となるに当たり朝行暮に会いに行く。すると、朝行暮は彼女に愛の証しを贈り、二人が堂々と一緒になれる日を信じて待っていてほしいと告げて…。

離一心（りいつしん）が君未期（くんみき）を傷つけたことを後悔していた頃、君未期は離一心にある事を頼むため燕山に戻る。また、百花門で初めての男弟子となった成城（せいじょう）は燕山派との間を取り持つ役目を負うことに。彼は早速、燕山派に文を届けることになるが先輩たちの不器用な恋模様にやきもきする。一方、朝行暮（ちょうこうぼ）を掌門にすべく暗躍する兄・朝聞道（ちょうぶんどう）は…。

玉玲瓏（ぎょくれいろう）は顧玉郎（こぎょくろう）が考えてくれた香水と酒造りの商売を成功させようと張り切るが、月清秋（げつせいしゅう）は事務仕事が苦手。一人で外に出て土笛を吹いていると朝行暮（ちょうこうぼ）が現れる。一方、朝聞道（ちょうぶんどう）に雇われた刺客の莫如帰（ばくじょき）は顧玉郎を殺そうと燕山派に潜入するも失敗。そんな中、君未期（くんみき）のことで心が乱れる離一心（りいつしん）が修練中に気が暴走し昏睡状態となって…。

離一心（りいつしん）は朝行暮（ちょうこうぼ）の長生功による治療で一命を取り留めるがなかなか目覚めない。また、月清秋（げつせいしゅう）たちに捕まり百花門で酷い目に遭い逃げ帰ってきた莫如帰（ばくじょき）は再び顧玉郎（こぎょくろう）の暗殺を試みるが、弟子を助けに現れた鉄流風（てつりゅうふう）に追い払われる。一方その頃、羽成仙から燕山派の初代掌門・顔無敵（がんぶてき）の天闕剣を掘り起こすように命じられた君未期（くんみき）は…。

三度の雷を受けて経絡を浄化し天闕剣の継承者となった君未期（くんみき）。彼は翡翠の力を借りて剣神の系譜を感じて星輝剣訣をものにする。そんな中、無魂閣の閣主・鳴鴻（めいこう）から盗んだ魔刀・鳴鴻刀と血の契約を結んだ莫如帰（ばくじょき）が燕山に現れ、強大な力を発揮して暴れ出す。そこで燕山派と百花門は力を合わせて彼に立ち向かうことになるが…。

顧玉郎（こぎょくろう）が死を覚悟した瞬間、突然現れて莫如帰（ばくじょき）を成敗したのは君未期（くんみき）だった。その後、鳴鴻刀を取り戻しに来た鳴鴻（めいこう）は偶然迷い込んだ禁地の洞窟で眠る韶華（しょうか）に功力を吸い取られて逃げ帰る。一方、昏睡する離一心（りいつしん）を見舞った君未期は彼女の額に翡翠を当ててみる。すると彼女が突然目を覚まし、二人は同じ幻の世界にいたと分かり…。

羽成仙（うせいせん）が夢に現れた顔無敵（がんぶてき）から百花門への恩返しを頼まれたと言い出し、朝行暮（ちょうこうぼ）が百花門で武芸の稽古をつけることになる。そこで月清秋（げつせいしゅう）は朝行暮を張り切って出迎えるが、彼にもらった花のせいで涙が止まらなくなる。一方、成城（せいじょう）は顧玉郎（こぎょくろう）が煮え切らないのは持病を気にしているからだと玉玲瓏（ぎょくれいろう）に助言すると、その治療法を授けて…。

幻花神功を修練する離一心（りいつしん）は君未期（くんみき）を稽古相手に。また、朝行暮（ちょうこうぼ）を手料理でもてなした月清秋（げつせいしゅう）は秘蔵の百花酒を振る舞う。その結果、君未期は凍ってしまい、朝行暮は酔いつぶれ、月清秋たちが二人を担架に乗せて燕山派に送り届けるはめに。折しも燕山派では持病を治すために沐浴中の顧玉郎（こぎょくろう）の部屋に玉玲瓏（ぎょくれいろう）がいることがばれて…。

成城（せいじょう）の作戦が功を奏して顧玉郎（こぎょくろう）から愛を告白された玉玲瓏（ぎょくれいろう）は幸せいっぱい。一方、月清秋（げつせいしゅう）は朝行暮（ちょうこうぼ）に自分の生い立ちを打ち明けるが、彼は家族の話をしたがらず駆け落ちしようと言い出す。そこで責任感の強い月清秋は百花門を捨てられないと悩み始めることに。そんな中、朝行暮の師叔・尹乗鸞（いんじょうらん）はこっそり朝聞道（ちょうぶんどう）と密談していた…。

天闕剣の幻の世界に入って荊飛花（けいひか）の秘籍を読んだ離一心（りいつしん）はさらに修練に励むことに。また、月清秋（げつせいしゅう）は朝行暮（ちょうこうぼ）が朝稽古に来なくなったことでますます不安と葛藤を募らせていく。一方、顧玉郎（こぎょくろう）と玉玲瓏（ぎょくれいろう）は羽成仙（うせいせん）から離一心を孫弟子として側に置いて指導したいと言われる。実はこれには韶華（しょうか）を目覚めさせたい羽成仙の秘めた思惑があった…。

月清秋（げつせいしゅう）の様子がおかしくなって成城（せいじょう）は大慌て。顧玉郎（こぎょくろう）も月清秋を心配して朝行暮（ちょうこうぼ）に説教、彼女に駆け落ちを迫るのではなく自分が婿入りしろと勧める。その頃、離一心（りいつしん）は羽成仙（うせいせん）の誘いを断ろうと決心したものの穏便に済むかどうか不安に思っていた。すると、君未期（くんみき）が一緒に逃げようと言い出し、二人は何も持たずに燕山を旅立って…。

婿入りの許しを得るためにずっと跪く朝行暮（ちょうこうぼ）に根負けして鉄流風（てつりゅうふう）が婚姻を認める。一方、逃げた君未期（くんみき）と離一心（りいつしん）は羽成仙（うせいせん）の待ち伏せに遭う。また、勇敢にも水に落ちた玉玲瓏（ぎょくれいろう）を助けた顧玉郎（こぎょくろう）は倒れて昏睡状態に。その頃、朝行暮は婚儀の準備のため月清秋（げつせいしゅう）と一緒に街に買い物に出かけていたが、そんな二人を朝聞道（ちょうぶんどう）が待ち受けていて…。

経脈の逆流が起こった顧玉郎（こぎょくろう）を救う手立てはなく彼はあと3日の命に。そんな彼を死なせまいと玉玲瓏（ぎょくれいろう）は必死に治療法を探し、羽成仙（うせいせん）が君未期（くんみき）を救った神玉寄命の術の記録を見つける。一方、朝行暮（ちょうこうぼ）は燕山派で起こった悲劇は全て江湖統一を企む朝聞道（ちょうぶんどう）の仕業だったと知って兄と決別。その後、燕山に戻って顧玉郎の容体を知ると…。