皇太子は顧思林の帰京を祝う宴に出席するが、皇太子の手の傷に気づいた顧思林は、誰にやられたのかと問う。緊迫した空気が流れるが、皇太子は作文が不出来な己のせいだとその場を取り繕う。そんな中、宴はお開きとなり、酔った皇太子は皇帝に対して陸文昔を下賜してほしいと頼む。その頃、陸文昔は控鶴衛の手にかけられようとしていた。

陸文昔は盧世瑜に託された大切な物を洗衣所の女官たちに奪われ、もめ事を起こしてしまう。女官の陳ク珠（ちんくじゅ）から、原因となった物は陸文昔とその想い人の証しの品だと聞かされ、皇太子は差し出すよう命じるが、陸文昔は必死に手の中に握りしめる。処罰しようとした皇太子を許昌平が制止し、ある賭けを持ちかけるが…。

斉王の前に現れた陸文昔は、陳ク珠を排除するよう斉王に頼む。斉王は耳を貸さなかったが、陸文昔から皇太子妃の一件を持ち出され…。その頃、女官たちは必死に陸文昔を捜し回っていた。斉王の部屋の外で２人の会話を聞いていた趙王は、危険を冒し続ける陸文昔を心配するが、陸文昔は説得に応じず宮殿へ戻ることを選択する。

死を目前にした陳ク珠は皇太子と面会し、15年間の思い出を振り返りながら、皇太子の髪を結う。そして家族が人質となったことを涙ながらに語るも、それが言い訳にすぎないことを理解していた。一方、街で李明安と会った顧逢恩は、楊盛が敵の首領を逃がしたことを話すが…。そんな中、陸文昔を見舞うため皇太子がやってくる。

陸文昔は親しくなった女官の沈夕香（しんせきこう）から刺繍を教えてもらい、皇太子を想いながら針を動かす。だが皇太子とは、なぜかなかなか会えなかった。陸文昔は王慎に皇太子が不在の理由を尋ねるが、そっけなくあしらわれる。そんな中、やっと皇太子が文昔の前に現れる。皇太子は文昔の赤い爪を見ながら、冷ややかな表情で問いを投げかける。

厳しい尋問を受けた陸文昔は、苦しい状況にもかかわらず自分ではなく沈夕香のことを心配する。皇太子が沈夕香の解放を約束すると、陸文昔は死を受け入れ、与えられた薬に手を伸ばす。一方、斉王は母から最近の皇帝の様子を聞き、納得がいかない。そんな折、皇宮には顧思林を弾劾する匿名の書状が届き、波紋が広がる。

庶民の身分に落とされたものの、またもや命を救われた陸文昔。皇太子から感謝するなら皇太子妃にと言われ、亡き皇太子妃の思いを知った陸文昔は涙が止まらない。そんな中、皇太子は許昌平に辞表を書くよう迫る。その夜、陸文昔は華やかな装いで皇太子の寝所へと向かう。異例の扱いに皇太子の周囲の者たちは懸念と反発を抱く。

皇太子の不在中、陸文昔は王慎に下賜品の石榴を無理やり食べさせられ、罪を着せられてしまう。一方、皇太子が東宮に戻ると、許昌平がわび状を持って待ち構えていた。聞く耳を持たず部屋に入った皇太子は、陸文昔がいないことに気づく。その頃、陸文昔は王慎から杖刑を受けていた。その状況を目にした皇太子は、自分が罰すると言い…。

中秋節の日、皇宮では華やかな宴が催され、皇帝の親族が一堂に会する。だがそこに顧思林の姿はなく、不穏な空気が流れる。月が出るのを待ちながら、一同は即興の歌を披露する遊びを行うことに。そんな中、皇帝のお気に入りの側室・宋（そう）貴人が披露したのは、都で流行している奇妙な歌だった。その歌を聞いた皇帝は顔色を変え…。

張陸正は息子の張紹インが歌を広めた元凶だと斉王に責められ、言葉が出ない。弱みを握った斉王は、張陸正の次女を側室として嫁がせるよう迫る。杖刑を受け気絶していた皇太子が目覚め、安心する陸文昔。そんな陸文昔に対し、皇太子は万事計画どおりだと語る。ひどい傷を負いながらも、皇太子は皇帝への朝の挨拶に向かおうとする。

皇太子から張陸正への伝言を頼まれた陸文昔は、その内容に衝撃を受ける。張陸正の策で父と兄を失った陸文昔にとって、皇太子の告げた言葉は許し難いものだった。陸文昔は悔しさを押さえ込み張陸正の元へ向かう。一方、斉王の妃・李和綽は、斉王に都を離れたいと言い出す。そんな中、呼び戻された顧思林は皇帝に謝罪をする。

朝議で皇帝が陸英の件を議題に挙げる。皇太子と張陸正が説明を求められるが、実際の審議は先送りされ、何士釗（かししょう）ら御史台の面々が猛反発。すると追い込まれた張陸正が、陸英の件は皇太子の指示だったと証言する。張陸正が証拠として差し出した親書は確かに皇太子の筆跡で書かれていた。皇太子はそれを書いた者の正体を悟り…。

顧思林は皇帝の元を訪れ、皇太子の行いについて謝罪する。そして、先の皇后に免じて寛大な処置を願い出る。だが皇帝は、朝議でこの件が明るみに出て、更に自筆の証拠まであるため、過ちを覆い隠すのは難しいと告げる。陸文昔の正体を知った皇太子は、全ての罰を受け入れる覚悟だったが、陸文昔も調べを受けることになり…。

陸英の件で幽閉されている皇太子は、何日も食事を取らず周囲を心配させる。見かねた趙王は、皇太子の様子を見に行くよう皇帝に進言。皇帝は皇太子に蜜柑を届けるよう命じる。夜半、ある人物が皇太子の元を訪れるが…。一方、李明安は顧逢恩を召喚するため軍営を訪れる。しかし顧逢恩は楊盛に飲食を断たれて衰弱していた。

重陽節の日、皇帝から尋問を受ける皇太子。なぜ陸英を殺したかと問われた皇太子は、逆になぜ今日を選んだのかと聞き返す。するとそこに顧思林が現れ、皇太子を祝うためにやってきたと言う。その言葉を聞き、今日が皇太子の誕生日だと気づいた皇帝は言葉を失う。顧思林の態度に激怒した斉王は怒鳴り込むが、皇帝に一蹴される。

仇敵・張陸正と牢の中で対面した陸文昔。陸文昔は張紹インが窮地にあることを告げ、子供の命を守りたければ罪をかぶるようにと張陸正を脅す。全ては父と兄に罪を着せた張陸正への復讐の策だった。尋問の場に引き出された張陸正は、陸文昔の言葉に従って新たな証言をする。一方、追い詰められた斉王は証拠隠滅を図るが…。

全てを知った皇帝は皇太子の元に向かい、父として謝罪する。そして皇太子の苦しみに理解を示し、忠と孝は両立できないと語る。父の言葉を聞き涙を流す皇太子。しかしその後、皇帝は皇太子に手枷を着けたまま顧思林の説得に向かうよう命じる。一方、長州には敵軍の襲来による危機が迫っていた。怯えた民衆が助けを求めた先は…。

長州では顧逢恩たちが敵の襲撃により窮地に追い込まれていた。一方、皇太子は長州の危機を救うため、顧思林に長州への出立を命じる。情を断ち切り苦渋の決断を下した皇太子は、その足で皇帝の元へ。斉王への公正な裁きを求められた皇帝は、それが自らの行いに対する報いだと嘆息する。やがて長州には援軍が到着する。

皇太子は離京を翌日に控えた斉王と対峙する。皇宮への出入りを禁じられ、母に会いたいと必死に訴える斉王。そんな兄を前に、皇太子もまた実母との別れを思い返していた。その後、皇太子はついに想い人の元へと向かう。静かに雪が降る中、皇太子と陸文昔は思い出の場所でついに相対する。皇太子は陸文昔に本当の名を尋ねようとするが…。

楓華谷の若き谷主・白岳（はくがく）は剣術と医術を誇るが、長年、薬を試してきたせいで体が弱り人参で命を保っている。そんな彼の命を助けたのが千年の修行を経て人の形になった人参の仙人・葉兮（ようけい）。その後、武林で名を馳せた彼女は唐門の唐楊（とうよう）に騙されてお尋ね者となり命を狙われる。だが、何度殺されても葉兮はこの世に戻ってきて…。

白岳（はくがく）は生前の記憶がなく体が弱っている葉兮（ようけい）を街へ連れて行く。すると、自分を崇拝する富豪・楚曜（そよう）と出くわす。そこで彼は葉兮を彼の屋敷で療養させることにするが、今や葉兮は妖女と呼ばれて武林だけでなく朝廷にも追われる身。正体がばれて大騒ぎになったところで葉兮をかばって逃げた白岳は、彼女に過去の経緯を教えて…。

葉兮（ようけい）は自分を騙して唐門の門主にのし上がった悪党・唐楊（とうよう）を成敗しようと一人で出立。偶然、唐楊の手先に追われる唐桓（とうかん）に出会い彼の命を助ける。そして、唐桓が前門主を殺した唐楊に復讐しようとしていると知ると行動を共にすることにし、霹靂門の虞門主に協力を求めるという彼に付いていく。そんな葉兮を人知れず守る白岳（はくがく）は…。

葉兮（ようけい）は白岳（はくがく）の忠告を聞かずに唐桓（とうかん）とともに唐楊（とうよう）を成敗しようと唐門に討ち入る。すると、唐桓が唐楊の持つ暴雨梨花針で攻撃され瀕死の状態となる。そこに現れたのが摂政王・蒼岐（そうき）。彼が葉兮を追っていたのは彼女を愛しているからで、かつて皇太子・蒼楠（そうだん）を殺したのは葉兮ではなく彼だった。そして、蒼岐は葉兮と二人きりになると…。

唐楊（とうよう）を成敗した葉兮（ようけい）は武林の最強武器・暴雨梨花針を手にすると、重傷の唐桓（とうかん）を救うために神医がいるという楓華谷に向かうことに。一方、白岳（はくがく）は自分がその神医だとは明かさないまま彼女と別れて出発、彼を待ち伏せていた蒼岐（そうき）から葉兮の記憶を戻す方法はないのかと問い詰められる。そこで白岳は一つだけ方法があると答えて…。

五色龍骨を手に入れるため南柯禅寺まで来た白岳（はくがく）と蒼岐（そうき）。そこに五色龍骨はなかったが地下の壁画には蒼楠（そうだん）と葉兮（ようけい）の過去が描かれていた。かつてお忍びで街に出た蒼楠は葉兮に一目惚れして彼女を東宮に住まわせた。そして、葉兮は蒼岐が宮中で人質として辛い生活を送っていると知る。実は彼女は蒼岐の自殺を止めたことがあり…。

蒼岐（そうき）から蒼楠（そうだん）に騙されるなと言われたものの蒼楠を信じることにした葉兮（ようけい）。彼女は蒼岐の策略により蒼楠が毒にあたって瀕死の状態になると、楓華谷まで連れて行って彼の命を救う。その後、都に戻った葉兮は蒼岐を助けるために騒ぎを起こして投獄される。一方、不老不死を願う皇帝は死から蘇った葉兮の秘密を知りたがっていて…。

白岳（はくがく）が蒼楠（そうだん）と取引して葉兮（ようけい）を救い出したものの、結局、彼女は蒼楠に毒酒を飲まされ息絶えた。その後、蒼岐（そうき）は葉兮の敵を討つため生き延びると誓い、そんな彼の命を救ったのは白岳だった。そして今、蒼岐は白岳も葉兮が好きなのだと気づくが、白岳は楓華谷の谷主の宿命として女子に心を動かすと死に至る絶情呪がかけられていて…。

葉兮（ようけい）は来訪者の行く手を阻む楓華谷の難関をなぜか悠々と切り抜けて谷主・白岳（はくがく）の元まで辿り着く。そこで唐桓（とうかん）の命を救ってほしいと白岳に頼むが、彼はうんと言わない。というのも、白岳は生き返る度に違う男を連れてきて命を救ってくれと言う葉兮に呆れていて、唐桓も腹黒い男だと知るだけに快く引き受けるわけにはいかず…。

白岳（はくがく）が唐桓（とうかん）を助ける条件は葉兮（ようけい）が楓華谷に1年留まることだった。葉兮はこれを了承し白岳の治療で唐桓は回復。その後、唐桓から結婚を申し込まれた葉兮は白岳が自分をどう思っているのか気持ちを確かめようとする。だが、心が動けば胸が痛み、その痛みが相手にも同期する絶情呪に苦しむ白岳は葉兮への想いを断ち切ろうとし…。

門主の座を継ぐために唐門に戻る唐桓（とうかん）に許婚として同行した葉兮（ようけい）。彼女は唐桓に頼まれて彼を裏切った霹靂門に討ち入るが、無駄に人を殺したりはせず、虞門主のこともとどめを刺さずに見逃す。その後、唐門にせつていという身重の女性が現れる。唐桓は彼女を五長老の側室だと説明し、せつていが葉兮の食事を用意するようになるが…。