シアオチエンの脚本通り、せんせんが飲む酒の杯に毒を入れた韓爍（かんしゃく）だったが、彼女が毒酒を飲まず計画は失敗。一夜明け、せんせんのまま目覚めたシアオチエンは、脚本が結末を迎えるまで現実には戻れないかもしれないと考える。二郡主の陳楚楚（ちんそそ）が城主となって結末を迎えるためには韓爍の力が必要だ。しかし彼は、せんせんを毒殺しようとした罪で、すでに死罪が確定。現実に戻るため、母である花垣城主に赦免を訴えるせんせんだが、城主は決して許そうとせず…。

教坊司（きょうぼうし）にて、蘇沐（そぼく）と韓爍の才芸対決が始まった。琴の美しい音色で見物客を唸らせる蘇沐。対する韓爍も素晴らしい剣さばきで場を沸かせるが、剣の矛先はそのまませんせんへと向けられた。彼女の命が危機に瀕したそのとき、韓爍の行く手を阻んだのは駆けつけた楚楚。彼女のおかげで命拾いしたせんせんだったが、2人が剣を交えることになってしまい、期待とは裏腹の結果になってしまう。さらに、そこにせんせんの元許婚である裴恒（はいこう）も登場し…。

若城主選抜の勉強のため、裴恒が司学を務める宗学堂（しゅうがくどう）に集められたせんせんたち。そこで林七（りんしつ）との賭けによって詩を詠うことになったせんせんは、食べ物で韻を踏んだ詩を詠み、裴恒から合格を告げられる。賭けに負けて苛立つ林七は教坊司へ戻ると、せんせんから褒美を受け取っていた蘇沐を鞭で痛めつけた。さらに、せんせんが武術の腕を失ったと感づいた林七は、皆が揃う前で城主にある提案をするが…。一方、韓爍はせんせんに毒を盛るべきか悩んでいた。

楚楚が城主の実の娘ではないとの報告を密偵から受けたはくきゅうは、次期城主であるせんせんに毒を盛って龍骨（りゅうこつ）を奪い、花垣城を攻め落とそうと進言するが、徐々にせんせんへの情がわき始めている韓爍は気が進まない。その夜、せんせんと裴恒の会話を物陰から聞いた韓爍は、自分に対しての彼女の思いやりを知る。翌日、韓爍への贈り物を買うために梓鋭（しえい）とともに街へと繰り出したせんせん。しかし、彼女が来た瞬間に街の店主たちは皆姿を隠して…。

せんせんは命の恩人となることで韓爍の殺意を消そうと考え、韓爍の病を治すため花垣城の宝である龍骨を無断で持ち出す。強烈な臭気に襲われながらも龍骨を煮込み、百病を癒やせる薬を完成させたせんせん。その夜、韓爍に龍骨を手に入れたと話すが、信じてもらえない。一方、せんせんが龍骨を強奪したという知らせを聞いた城主は激怒し、月璃（げつり）府へと乗り込む。そんな中、密偵を捕らえるべく準備を進めていた楚楚は、花火を合図に攻め込もうとするが…。

龍骨を失うという不祥事のけじめをつけるため、城主は韓爍を拘束し、失われた龍骨の代わりに肋骨を抜き取ると宣言する。必死に許しを乞うせんせんだが、普段は甘い城主も聞き入れようとはしない。城主から三郡主としての責任を問われたせんせんは、郡主の位を捨てることを決意。こうしてせんせんは、庶民に落ちてしまう。そんな彼女のもとに街の商人たちを引き連れた林七が訪れ、これまで付けにしていた分をすべて支払うよう要求するが…。

郡主の位を廃されても資産を持つ韓爍との生活には何の不自由もないが、せんせんに対する民の風当たりは強かった。そんな折、林家の鉱山が落雷で崩れ、鉱員が坑道内に閉じ込められる事態が発生した。民はこの天災を、龍骨を失ったことに対する天罰と考え、せんせんの命を捧げて天の怒りを鎮めるよう城主に請願書を差し出し、大臣らもこれに賛同する。せんせんは楚楚が若城主となるにふさわしい手柄を立てる絶好の機会と考え、民を救うよう訴えるが…。

鉱山で鉱員を救出して民の信頼を獲得し、黒水の鉱脈まで見つけた功績で、せんせんは郡主の位が回復。城主はせんせんの変化に期待をかけ、若城主選抜に向けて裴恒にせんせんの学問の監督を命じる。街は若城主選びの話題で持ちきりになり、茶館では誰が選ばれるかの賭けまで始まった。屋敷を抜け出して街に出たせんせんは素性を隠し、あるだけの財産を楚楚に賭ける。一方、韓爍はやる気のないせんせんを若城主にするべく、屋敷を挙げて試験対策をとることにする。

せんせんの話を聞いたことで自信をなくし、若城主選抜試験を棄権しようとするちんげんげん。それを知ったせんせんは、げんげんが諦めないよう脚の回復術をまとめた書物を渡すが、受け取ってはもらえなかった。その夜せんせんは、今まで何も考えずに人の運命を左右していたと反省するが、韓爍はそんな彼女に、せんせんと出会ったことで病も治り自分の運命は変わったと励ます。せんせんは再びげんげんのもとを訪れ、自分が武術試験で勝利したら回復術を試してほしいと伝えるが…。

容赦ない林七の鞭を受け、ついに壇上に倒れてしまうせんせん。彼女の身を案じる裴恒は両親か夫しか鳴らすことを許されない棄権の銅鑼を鳴らすが、試合は続行される。最後の力を振り絞ったせんせんは見事林七に勝利、武術試験の首位を獲得する。そして、ついに若城主選抜試験の結果発表。策論と筆記では楚楚が首位を獲得したと思っているせんせんは、自分の財産を楚楚に賭け、祝いの品まで用意していた。しかし、なぜか若城主に選ばれたのはせんせんで…！？

お披露目道中の真っ只中、口論になったせんせんと韓爍。韓爍は馬車から降り、歩いて屋敷に戻ろうとするが、脚にせんせんの衣が引っかかっていることに気づかない。彼が歩くほど衣が破れていき、公衆の面前で大恥をかいてしまったせんせんは怒り心頭。屋敷に戻ってもまだ怒りが収まらず、梓鋭が用意した甘蕉（バナナ）を床に投げ捨てる。しかし、その皮で足を滑らせてしまったせんせんは、体を支えようとした韓爍とともに転び、勢い余って口づけをしてしまう。

若城主として山賊の討伐に向かったせんせん。韓爍に命を狙われる心配がなくなった今、現実に戻るため、この機に何としても韓爍と楚楚を結びつけようと策を巡らすがうまくいかない。裴恒がせんせんに付き添わせた蘇子嬰（そしえい）は、一見、忠義者に見えるが勘違いや非常識な行動を繰り返し、そのたびに計画が狂う。蘇子嬰が掘った落とし穴に楚楚が落ち、楚楚を捜しに行った韓爍が一晩戻らなかった朝、守りが手薄な客桟（きゃくさん）は孟過（もうか）らに攻め込まれてしまう。

せんせんと一緒にいたい韓爍はどうにか自分と行動するよう話を誘導するが、韓爍と楚楚を結びつけたいせんせんは1人客桟に残ることに。その後、韓爍らが出払っている間に孟過たち山賊が再び客桟に侵入。韓爍や楚楚が戻った頃には、せんせんはすでに拉致されてしまっていた。連れ去られたせんせんは「儀式」という言葉を聞いて孟過との婚儀のことだと思い抵抗する。しかし孟過から、威猛（いもう）山の頭領になってほしいと頼まれて…！？

蘇子嬰（そしえい）がちんせんせんに悪意を持っていることは明らかだが、せんせんも韓爍（かんしゃく）もひとまず彼を泳がせることにした。蘇子嬰の目的が陳楚楚（ちんそそ）を若城主にすることならせんせんにとっては好都合であり、韓爍は蘇子嬰の罪状を明らかにして裴恒（はいこう）の前に突き出そうと考えたためだ。韓爍に対する自分の気持ちに気づき始めたせんせんだが、2人は住む世界が違う。楚楚に「韓爍が要らないなら私がもらう」と宣言されたせんせんは、2人の仲に協力すると引き受けてしまう。

真夜中の月璃（げつり）府、警護の梓鋭（しえい）が寝たふりをしていると蘇子嬰が部屋に忍び込み、せんせんが私物を入れている箱に花垣（かえん）城の防衛図を隠した。軍の関係者でない者が防衛図を私的に隠し持てば謀反の意図があると見られるのは必至だ。自分を若城主の座から引きずり下ろすための計略と見抜いたせんせんは若城主の座を楚楚に譲るため、あえて防衛図を箱の中に戻させる。密告を受けた楚楚は兵を連れて月璃府に乗り込んでいき、蘇子嬰の証言を基に箱を開くが…。

酒に酔った楚楚を屋敷まで送って行った韓爍。楚楚は韓爍へ想いを伝えるが全く相手にされず、彼に愛されているせんせんに憎しみの念を抱く。一方、韓爍不在の中、せんせんは宴の席で玄虎（げんこ）城の使者たちの相手をする。韓爍の存在が花垣と玄虎両城の関係において不安材料になると考えた花垣城主は、韓爍とせんせんを別れさせようと決意し、離縁を命じた。はくきゅうは韓爍に、花垣城を手に入れればせんせんも手に入ると花垣城攻略を促すが、韓爍は思い切れずにいて…。

せんせんとの離縁を撤回するため、花垣城に帰属する意味を持つ銅環を痛みと屈辱に耐えながら装着した韓爍。しかし、そのことを知らないせんせんは、彼の想いを拒んでしまう。七夕の日、ちんげんげんと蘇沐（そぼく）を結びつけようと躍起になるせんせんだったが、身分の差を気にした蘇沐はその場から姿を消す。そんな中、韓爍が銅環をはめたことを偶然知ったせんせんは、自分と城主から屈辱を受けた韓爍が爆薬を使って花垣城を滅ぼそうとしていると考えるが…。

せんせんはようやく韓爍と心を通わせた。夜の間の別れさえ名残惜しい2人は、梓鋭とはくきゅうの目を盗んで、せんせんの部屋で初めての夜を迎える。翌日、韓爍がせんせんの部屋で一夜を過ごしたことが、すでに宗学堂（しゅうがくどう）の噂になっていた。楚楚は嫉妬の炎を燃やし、傷ついた裴恒は司学（しがく）の職を辞してしまう。一方、げんげんのことで思い悩む蘇沐は、彼女のことを忘れるため教坊司（きょうぼうし）に戻る。そんな中、城主府に出向いた陸鵬（りくほう）は偶然、城主と楚楚の会話を立ち聞きしてしまい…。

教坊司にて陸鵬殺害の凶器が発見されたことで、林七（りんしつ）が犯人として捕らえられた。林七の口封じをしたい楚楚は、彼女を死罪にすべきだとせんせんに意見するが、林七が死んでは脚本通りの運命になってしまう。せんせんは、韓爍が死ぬ運命を避けるために林七を生かそうとするが…。一方、げんげんは蘇沐に会うために教坊司を訪れた。本当の気持ちとは裏腹にげんげんと距離を置こうとする蘇沐は、彼女に冷たい態度をとって追い返してしまう。

蘇沐が消えたことで、最後に会った人物である韓爍に殺害の疑いがかけられた。取り調べに同行した韓爍は薬を盛られ、目を覚ますと蘇沐殺害の罪で辺境への流刑とせんせんとの離縁が宣告される。流刑になる前にせんせんとの面会が許されたが、せんせんは楚楚の花婿だった韓爍を奪い取ったのも、すべて人質として利用するためだったと語り、韓爍が彫った印章を床に叩きつける。それを見た韓爍は左腕の銅環を壊して外し、流刑地への旅路に就く。

楚楚と手を結んだ韓爍はともに花垣城に戻ってくる。韓爍の命を守るためとはいえ、最愛の人をだまして流刑地へと追いやったせんせんは悲しみから立ち直れずにいた。酒で愁いを紛らわそうとするせんせんは、裴恒に韓爍の面影を見て「嫌いと言ったのは嘘、本当は一緒にいたい」と涙ながらに訴える。その様子を物陰から韓爍が見ていることをせんせんはまだ知らない。一方、日晟（にっせい）府も包囲されたと聞いた蘇沐は、げんげんを心配して彼女のもとへと急ぐ。

楽師の扮装で月璃府を抜け出したせんせんは、事情を聞くために林七の屋敷に向かった。するとそこへ林七の文とともにせんせんが与えた金牌（きんぱい）が届く。林七が生きていると知ったせんせんは、自分が登場人物の運命を変えることができる、つまり韓爍と離縁する必要はなかったのだと気づいた。せんせんは韓爍の誤解を解くため、裴恒が止めるのも聞かず再び月璃府に戻る。楽師の扮装を見て、逃げようとしていたと勘違いする韓爍の前でせんせんは離縁状を破り捨てるが…。

せんせんが母である城主のことばかり心配し、自分はないがしろにされていると腹を立てる韓爍。2人は口論になり、せんせんは城主府へ向かおうと屋敷を出ようとするが、韓爍はそれを許さない。一方で裴恒は、楚楚が護城軍を取り戻したにもかかわらず城主を解放せず制圧しているという報告を受ける。そこで彼は、楚楚の屋敷に忍び込み、兵力を掌握できる花（か）符を盗み出す。そして、護城軍のもとへ行き、花符を使って従わせようとするが…。

韓爍を守るため、死を偽って花垣城を離れることに決めたせんせん。裴恒は別れる最後の瞬間まで彼女に想いを募らせるが、せんせんから自分を忘れてほしいと告げられてしまう。屋敷の外で裴恒と出くわした楚楚は、彼が嘆き悲しんでいないことを不審に思い、生死に関わらずせんせんを葬ろうと策を練る。せんせんはなんとか花垣城を脱するが、玄虎城に向かう道中で蘇子嬰が現れ、彼女の命を狙う。韓爍らが蘇子嬰と戦っていると、そこへ林七が現れて…。

玄虎城の夫人たちが集まる宴の席で林七によって恥をかかされたせんせんは、腹を立てて花垣城に帰ると言い出す。そんなせんせんをなだめようと韓爍は、妻が夫の世話をするという玄虎城の掟を破り彼女の足を洗った。その噂はすぐに広まり、翌日、せんせんのもとには夫を御する方法を教えてほしいと玄虎の夫人たちが押しかけてくる。一方、城主に罪を咎められた楚楚は、そこで自分が城主の実の子ではなく裴（はい）司軍の娘だという事実を知り…。

楚楚は裴恒から司軍の地位を奪い返した。楚楚は司軍の職権を逸脱して玄虎城への烏石（うせき）の輸送を差し止めると、せんせんと烏石の交換を条件として突きつける。せんせんは韓爍とともに、このことを玄虎城主に相談するが、女性を下に見る彼は取り合おうとしない。城主の発言に我慢ならなくなった城主夫人は、夫に出征することを告げ、離縁状を突きつける。そんな中、花垣城では楚楚の独断で男性の権限が狭められ、民衆からは不満が出始めていた。

楚楚に刺され、重傷を負った韓爍。げんげんが彼の容態を確認すると、肺が傷つき、もう長くはもたないという。せんせんは嘆き悲しむが、韓爍は苦しみに耐えながらも彼女を優しく慰める。一方、せんせんは捕らえられた楚楚に、明主の継承式で瑞祥（ずいしょう）が現れるという伝説を話し、実際に試してみようと提案。そこに城主が現れ、げんげん、楚楚、せんせん3人全員が花（か）路を歩き、瑞祥が現れた者に城主の座を譲ると宣言する。そして、ついに継承式が始まるが…。

しゅんとみは原告の訴状と証人の目撃証言の食い違いを指摘。そこで審理の行方を大理寺丞・康正源（こうせいげん）と見守っていた韓無畏（かんぶい）が加勢してくれた結果、しゅんとみは父親の冤罪を証明できたのだった。その夜、臨水楼の美青年はある硯を盗み出そうと節度使・ちょゆうの屋敷に忍び込む。それを目撃して後を追ったのは、密旨を受けて行動中の韓無畏で…。

父・春大山（しゅんたいさん）が折衝府・副隊長の職に復帰ししゅんとみは一安心。一方、韓無畏（かんぶい）は折衝府・都尉に就任、皇帝に代わり巡察中の康正源（こうせいげん）とべんしゅうに残ることになる。そんな中、臨水楼で事件が発生。いつも女将・方菲（ほうひ）に難癖をつける趙老七（ちょうろうしつ）が魚肉の羹にあたったと騒ぎだすと、突然倒れて息絶える。また、同じ物を食べた客たちも苦しみだして…。

しゅんとみは殺人の嫌疑をかけられた臨水楼の女将・方菲（ほうひ）の代言を務めることに。だが、趙老七（ちょうろうしつ）の妻・趙婉若（ちょうえんじゃく）の代言人は名うての訟師・孫秀才（そんしゅうさい）。あの日、父の審理をすっぽかした食えない男だった。そんな中、密かにしゅんとみを応援する康正源（こうせいげん）が悪徳な県令をクビにして信頼のおける袁三旺（えんさんおう）を着任させたことで、裁判は公正に進められるが…。