菊村栄は、立木公次郎による九条摂子の取材に立ち会ったことで、自分の軍国少年時代を否が応にも思い出す。

その夜、九条摂子が菊村栄のヴィラを訪ねてくる。

ある秋の日、『やすらぎの郷』のガーデンに続く裏山で仔熊が目撃される。

トランペッターであり作曲家でもある白鳥洋介が、長いアメリカ生活に終止符を打ち『やすらぎの郷』に入居してくる。

仔熊騒動は『やすらぎの郷』を衝撃に包むと同時に、小さな命に対する三井路子の慈悲深さは、対照的に無頓着だった菊村栄に自責の念を抱かせる。

9月下旬、真野六郎が松岡伸子との結婚をめぐりピンチに立たされる。

菊村栄、水谷マヤ、白川冴子は、真野六郎と松岡伸子を別れさせようと息巻いて乗り込んできた松岡信三を、作戦通り麻雀に誘い込む。

バー・カサブランカで会った菊村栄と岩倉正臣は、松岡伸子との結婚の許諾を賭け…

財前ゆかりの身に起きた事件は直ちに箝口令が敷かれ、『やすらぎの郷』にはいつもと変わらない朝が訪れる。

事件から2日、何も知らない菊村栄はのんきに昼寝し、律子の夢などを見ている。しかし…

宮下一馬から事件の全貌と、『やすらぎの郷』の男性職員たちが報復を企てていると聞いた高井秀次は、その動きを制止。

財前ゆかりの身に起きたことは、高井秀次たちの殴り込みと合わせ、ついに菊村栄たち入居者の知るところとなる。

菊村栄は運転免許証更新のための高齢者講習を、他の『やすらぎの郷』入居者とともに受ける。参加者は皆、簡単な記憶テストに苦戦。

車両盗難の犯人は、なんと岡林谷江だった！

九条摂子が急に始めた身辺整理は、水谷マヤの勧めによるものと分かる。

水谷マヤと、白川冴子のけんかが、バー・カサブランカで勃発！

九条摂子は点滴を受けながら、つじつまの合わない話を始める。

菊村栄は、九条摂子の看護で憔悴しきった川添夕子を慰めながら、事が公にならないよう、平静にいつもと同じでいるよう助言する。

菊村栄は、榊原アザミからの手紙に返事をしたためながら、九条摂子が戦前、戦中、戦後を通して果たしてきたテレビ人としての功績に思いを馳せる。

井深凉子に呼び出され山家に出向いた菊村栄は、その日が、濃野佐志美が本命視されている芥川賞の発表日であることを知る。

菊村栄は井深凉子から聞いた三井路子の恋の噂を、今回は自ら広めてしまう。

九条摂子がいる病室棟への立ち入りが禁じられた夜、菊村栄は榊原アザミ、安西直美、妻の律子総出演の奇妙な夢を見る。

加納英吉が厳戒態勢を敷き、人目を忍んで九条摂子との面会に現れた姿を菊村栄が目撃した日、白鳥洋介の部屋に思わぬ珍客が現れる。

突然、『やすらぎの郷』に戻ってきた及川しのぶは、不思議と九条摂子の病状を察知しており、お見舞いに歌をプレゼントすると言って、姫が好きだった『ゴンドラの唄』の練習を始める。

九条摂子が息を引き取る。訃報はたちまち世間の知るところとなり、名倉みどりたちは対応に追われる。

九条摂子の本葬は東京で行われることになり、小さくなった姫のお骨とともに多くの人たちが出発する。

九条摂子の追悼文を書き上げた菊村栄は、亡き妻の律子が姫のように納得の最期を迎えたのかどうか、思いを巡らす。

九条摂子が旅立って10日が経ったころ、なんの前触れもなく菊村栄を孫の梢が訪ねてくる。

菊村栄は心の準備もできないまま、息子より年上で妻子持ちという梢の同棲相手、湊勇一と会うことになる。

菊村栄は降圧剤を服用し、気持ちを落ち着けて再び梢と湊勇一に対峙する。