韓国ドラマ『ジャイアント』完全攻略ガイド〜ある家族の記録
1970年、貧しいながらも仲のいい家族が釜山近郊の町に住んでいました。ある日、次男のガンモは密輸された金塊のことを知って父デスに報告。正直者のデスは軍の保安隊班長チョ・ピリョンに通報するも、ピリョンは金塊を我がものにしようと考えます。ピリョンは計画通りに、金塊を横取りし運転手のデスを銃殺。父が殺される一部始終を目撃した長男ソンモは、産後間もない母と弟妹を連れてあわててソウル行きの列車に飛び乗りました。
【1】 ソンモと別れて下車
家族が列車に乗ったことがばれて、刑事たちが追ってきました。それに気づいたソンモだけ列車に残って刑事をひきつけ、その間にガンモや母たちは太田(テジョン)で下車させて逃すことにします。その時、ソンモはソウルの「三一ビル」の前で再会しようと約束します。その後、ソンモは走る列車から飛び降りて重傷を負います。
【2】 宿の事故で母が死去
出産後にすぐ動いたため、母の体調がよくありません。太田で宿屋に泊まることになりました。しかし宿とは名ばかりの、暖房設備もない部屋に客を雑魚寝させる程度のもの。ある女性客が部屋に暖房の練炭を入れてくれと頼んだ晩、多くの客が一酸化炭素中毒で病院に運ばれました。ガンモの母も赤ん坊をかばって亡くなります。
【3】 仕方なく赤ん坊を養子に
ガンモは妹と赤ん坊を連れソウル行きのトラックに乗せてもらいます。赤ん坊の具合が悪くなりガンモが薬局に寄ったスキに、トラックはガンモの金を持ち去りました。知り合いも金もないガンモは親切な夫婦に出会い、病院に連れていってもらいます。そこでガンモは赤ん坊は育てられないから、養子に出すようにと説得されます。
【4】 約束の場所ではぐれて
あんなに仲のよかった6人の家族は、ソウルに着いたらガンモとミジュだけになっていました。ソンモと約束した「三一ビル」の前で、2人はソンモを待つことにしました。しかしいくら待っても兄は現れず。寒さに震え空腹のミジュをパン屋に1人で待たせている間に、ミジュは見知らぬ人を兄と間違えてついて行ってしまいます。
ドラマ『ジャインアント』の背景
1970年代のソウルの江南(カンナム)開発が、このドラマのテーマです。脚本家のチャン・ヨンチョルは「このドラマの本質は人間を描くこと。政治や経済状況は背景に過ぎない。」と言います。とはいうものの江南はこの40年で激変した場所。今やアジア有数のおしゃれ地域で、地価の高いことでも有名ですが、ガンモとミジュがきた70年代は畑や果樹園など農地が広がっていました。一方で高度発展を予感する人々が、虎視眈々とこの地を狙っていました。
逆境も挫折もぐんとパワーアップ
イ・ボムスは高視聴率俳優として有名で、出演作の『外科医師ポン・ダルヒ』は約29%、『オンエア』は約26%の最高視聴率を獲得。この『ジャイアント』も40%を叩き出しました。彼自身は「ガンモの場合、前2作の主人公たちより逆境と挫折、信念や愛がぐっとパワーアップしている。僕自身がベストな状態で演技しないと不満が積もる。スケジュールがタイトなので、NGを出さない努力も結果に繋がったかも」と話しています。
キム・スヒョンら名子役が勢揃い
ドラマの1話から8話までは、イ家の兄弟の子供時代が中心。物語は演技力バツクンで存在感のある子役たちが支えています。中でも次作『ドリームハイ』で大ブレイクしたソンモ役のキム・スヒョンは、すでに子役ではなく大人の俳優の貫禄を見せてくれます。またガンモ役のヨ・ジングは『名家』『いかさま師〜タチャ』、ジョンヨン役のナム・ジヒョンは『クリスマスに雪は降るの』などの熱演で知られ、キム・スヒョンに続くスターとなる可能性大。
アイドルから本格的な女優ヘ
『明日に向かってハイキック』で人気を集めたファン・ジョンウムにとって、今回が初めての正当派ドラマ出演となりました。アイドルグループ「Sugar」のリーダーとしてデビューし、アユミ(現在ICONIQ)らと活動。グループを脱退後に『ラスト・スキャンダル』や『エデンの東』に、脇役で出演しましたが鳴かず飛ばず。バラエティ番組『私たち結婚しました』に交際中の恋人と出演して注目され、本格的に女優に転身しました。
イメージから抜けたくて悪役に
『明日に向かってハイキック』でコミカルなキャラこそはまり役と思わせておきながら、『ジャイアント』で極悪非道な軍人に変身したチョン・ボソク。『明日に向かって〜』で俳優として第二の全盛期を迎えたと言われるほど人気を得て、一般にも気弱でコミカルなキャラが浸透。しかしそのイメージが固定しては困ると、残忍なチョ・ピリョン役を引き受けました。「私の中に隠れている悪人の姿をお見せします」と大胆に宣言しています。