韓国ドラマ 『鉄の王 キム・スロ』完全攻略ガイド〜キム・スロ 国つくりの野望
狗耶は紀元1世紀の頃、朝鮮半島南部に位置していました。9人の部族長たちによって各地域が治められ、大事な用件は部族長たちの合議によって決定されました。独自の鉄器文明を持ち、その技術は門外不出。祭祀長が鍛冶場の持ち主で、鍛冶場の出入りには厳格な資格が必要という徹底ぶりでした。それだけ製鉄は神聖なもので、よくできた刀は神に捧げられました。狗耶は鉄を介して交易し、経済的に恵まれ勢いをつけていたのです。
戦禍から逃げる途中で、キム・スロを産み落としてすぐに離ればなれになってしまいました。その時に息子は死んだと思い切り、イビガと結婚しました。北方に暮らしていた時から自分の生んだ子が王になると信じて疑わず、イビガと結婚しても1人息子イジンアシが狗耶国の王になると夢見ます。息子に愛情の全てを捧げます。
夫が赤ん坊を拾ってきて以来、実子として育ててきました。その子が誰の子であるか、どんな素性であるかなど気にかけることなく、成長を見守ってきました。息子スロが夫のような、立派な鍛冶職人になる日を楽しみにしています。穏やかで自分から主張するタイプではありませんが、スロのためなら命を張る強さを持っています。
勇猛な戦士で、周辺の部族を鎮め力を誇ってきました。ついに後漢と戦うことになりますが、敵の圧倒的な戦力を前に自軍の敗退を予測。自らの血統が絶えないために、臨月の妻を逃すことにします。妻チョンギョンは素直には従いませんでしたが、夫の決意を知って従います。これが妻と未だ見ぬ子との永遠の別れになりました。
難破船からスロを拾った命の恩人であり、スロにとって唯一の父親です。イビガや鍛冶仲間から一目置かれる鍛冶長で、人々から信頼が厚いことでも尊敬していました。鍛冶職人としての技術はもちろん、生きていくためのあらゆることをスロに教え込みます。スロが成長するに従い、出生を明らかにしなければならないと苦悩します。
製鉄技術を守り管理し、神を司る精神的なよりどころです。妻チョンギョンは息子イジンアシにしか目が届いていませんが、イビガは客観的な視点を持ってスロの才能を早い時期から見抜いていました。ただチョンギョンの気性の荒さに遠慮して、自らの意見を曲げたりもします。しだいにスロの精神的後ろ盾となっていきます。
キム・スロは伽耶を建国した王として、伝説や民話の中で伝わっています。近年になって発掘や研究が進み、伽耶やスロ王の実像が少しづつ分かってきました。このドラマではスロの存在をリアルにするため、彼の周辺に敢えて伝説や民話に伝わる人物を登場させました。伝説ではイジンアシは伽耶の属国の初代王になり、ソク・タレはサロ国の王に即位しアヒョを妃にしたと言われています。ファンオクはなんと156歳まで生きたと伝わっています。
ここのところ時代劇には、男装した女性が欠かせません。男まさりの彼女たちは後に美しい姫となって現れ、勇猛な戦士や英雄たちと恋をすることに。『朱蒙−チュモン−』のソソノも最初は男装。『太王四神記』のスジニは少年のような性格や身のこなしが魅力です。『善徳女王』では主人公のトンマンが幼い時に男装を貫いていました。『キム・スロ』でも武芸に優れ冒険好きな姫アヒョが登場。スロとイジンアシ、2人のイケメンに愛されます。
主人公のスロと並び、シングィガンの人気が急上昇中です。シングィガンは狗耶の9人の部族長の中で、最も権力に執着する人物。ユ・オソンはこの古代の部族長をやや大げさに怪演しています。悪役ながら思わぬ人気を得て、ユ・オソンは「キャラクターを強調したら、シングィガンが活き活きとした」と演技方法が受けて大喜びしています。悪役がもう1人の主人公のように人気を呼び、『善徳女王』のミシルのようとも言われています。
蘇塗の神官ナチャルリョは、イビガと同じく神事を司ります。また目を大きく見開いて人を超えた力で何かを感じ取ったりします。実はナチャルリョを演じるキム・ヘウンは、元「お天気お姉さん」。声楽で鍛えた美しい声で8年間、MBCで気象キャスターを務めていました。退社してフリーになってから07年に女優に転身し、『ニューハート』や『太陽の女』に出演しています。古代の神官とお天気お姉さんは、どこか共通点がありそう。
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