王妃不在の中、ヘンリーの結婚無効の是非をめぐる裁判は続けられた。

ウルジーを罷免したヘンリーは国王の補佐機関である枢密院を作り、張り切って自ら政事に臨んでいたが…。

外交官を退任すると思われたスペイン大使チャプイスは宮廷に戻ってきた。

議会には国王ヘンリーから、王権はローマ教会より優位であるとする法案が出されていた。

ブランドンがアンに対して快く思っていないことで、ブランドンの従僕とブーリンの従僕が諍いを起こした。

ヘンリーは、アンとの間に生まれた子のみを王位継承者とするという法案を提出することにし、クロムウェルにその草稿を作らせた。

教会に対する王権の優越性を認める、国王至上法への宣誓を拒み投獄されたトマス・モアとフィッシャーは、断固として誓いを立てることを拒否し続けていた。

ローマ法王がモアとフィッシャーの追悼の祈りを捧げている頃、イングランドでの宗教改革は着々と進んでいた。

クロムウェルの指示により、イングランドにおけるすべての修道院が調査されその財産と内部の実情について目録が作成された。

数年来、オスマン・トルコの侵入に悩まされていた神聖ローマ帝国皇帝カールが、チュニスに遠征、トルコに勝利した。

ヘンリーの計らいにより、ジェーン・シーモアの兄エドワードはヘンリーの侍従に取り立てられた。

アンの処刑は王の慈悲をもって火あぶりではなく斬首と決まった。それも腕の良い首切り役人をカレーから呼び寄せているということだった。

一五三六年、ヘンリー８世とジェーン・シーモアの結婚式が行われた。

リンカンシャー州で起きた民衆の反乱は王の恩赦を与えることで鎮圧されたが…。

宮廷ではクリスマスが祝われ、国王夫妻とメアリーは祝賀に訪れた人々を謁見していた。

ヘンリーの親戚であるレジナルド・ポールがヘンリーを批判する小冊子を書き…。

ジェーンを失った悲しみで、ヘンリーは政務も捨てて部屋に閉じこもり、道化の老人以外、誰も寄せ付けない生活をしていた。

謀反人レジナルド・ポールが逃亡中のため、ヘンリーはレジナルドの家族を捕らえることにした。

ヘンリーの再婚相手にクレーヴズ公の妹アンを望むクロムウェルは、アンの肖像画を描かせるべく画家ホルバインを先方に送る。

クレーヴズのアンと結婚したものの、彼女が気に入らなかったヘンリーは、重臣達を集め、結婚を解消するための根拠を捜すよう命じた。

クロムウェルが処刑された翌年の一五四〇年夏。ロンドンは雨の降らない記録的な猛暑が続いていた。

国王ヘンリーのキャサリンに対する寵愛は続き、キャサリンはダンスやお洒落に明け暮れる日々を送っている。

カルペパーとの戯れで、ヘンリー王が病に伏せっている間の無聊（ぶりょう）を慰めたキャサリン。

ヘンリー王の一行は、かつての反乱「恩寵の巡礼」の本拠地のひとつであるポンテフラクト城に到着した。

匿名で届けられた告発状は、キャサリンが結婚前に送っていた無軌道な生活を赤裸々に暴露するものだった。

ハンズドン館では、ヘンリー８世の娘メアリーと腹違いの妹エリザベスに、うれしい知らせが舞い込んでいた。

皇帝とフランス侵攻に乗り出す決意を固めたヘンリー８世は、手始めにブーローニュを攻略することにした。

ヘンリー８世率いるイングランド軍はフランスへ侵攻しブーローニュの町を包囲していたが…。

一五四五年、フランスとの戦争はまだ続いていた。

ここ数年、戦争状態だったフランスとの講和がなることになり、フランスから海軍提督のダンボールが協定締結のために宮廷にやってきた。