リウ・リンの部屋のそばに火薬が埋められていたのを発見し、敵の襲撃がすぐそこまで迫っていることを悟る金鱗衛。敵の目的が雲奕の殺害であると考えた沈宴は、死罪を免除する代わりに黒幕を吐かせようとするも、白状する様子は一切ない。そんな中、陸銘山は山奥で怪しい集団と落ち合い、何やら話し込んでいた。敵の襲撃に備えて隊列を組み、戦いの時を待つ沈宴。リウ・リンは約束通り部屋から一歩も出ないでいたが、敵は彼女の背後にも迫っていた…。

崖から落ちたはずの二人の遺体を捜そうと、敵の手下がすぐそばまで追ってきていた。沈宴はもく浴中に敵の気配を感じ、水に潜って難を逃れるが、刺された時の深い傷のせいで本調子が出ない。傷を治す薬草を採りに行くというリウ・リンの手を取り、そばにいてくれと頼む。彼は薄れた意識の中、人々が噂する江州一の悪女と、自分が知る長楽群主の姿はどちらが本当なのかと尋ねる。するとリウ・リンは重い口を開き、悲しみに包まれた過去を語り始めた。

リウ・リンと沈宴が無事に駅站へ戻ると、雲奕を殺害した敵の正体を探る捜査が始まった。検死を行っていると、口の中から事件の黒幕に関する証拠が発見された。雲奕は死を目前にして改心し、証拠が敵に見つからぬよう隠していたのだ。一方、沈宴と想いを通わせたことで有頂天になっているリウ・リンは、いつもと違う様子で周囲を困惑させる。二人の関係について皆に話そうとしたところ、沈宴は慌てた様子でリウ・リンを部屋に帰し、なぜか冷たい態度で…。

ぎょうの屋敷へ戻り、陸銘山に送る破談書を書くリウ・リン。叔父と叔母が猛反対する中、祖父である定北（ディンベイ）候は以前から陸家を良く思っていなかったため賛成し、話を進められることに。後日、陸銘山は陸公に破談の件を隠そうとするが、すぐにばれてしまう。加えて、駅站を襲撃した際に雲奕の死体を残してきたことをひどく叱責される。射的大会で勝利すれば縁談を実現できると許しを請うが、ちょうどその時、リウ・リンが陸家の屋敷にやって来て…。

夜が更けたころ、リウ・リンの屋敷を訪れた沈宴。まだ関係を公にすることのできない二人にとって、共に過ごす時間は危険と幸せに満ちたものだった。月灯りに照らされた屋根の上で時間を過ごし、リウ・リンは射的大会での勝利を、沈宴は母に結婚を認めてもらうことを約束するのだった。そしてついに、運命の大会当日。皇太子からの褒美をかけて多くの弓使いたちが的を狙う。果たしてリウ・リンは、陸銘山に勝ち、沈宴との約束を守ることができるのか…。

陸家からやってきた使用人のユエ・リンによって、リウ・リンが我が子のように可愛がっていた子豚のアオアオが外に逃がされ、物乞い達に食べられてしまう。ユエ・リンは陸銘山の愛人であり、身籠った子とともに彼の側にいるため、リウ・リンを陥れることをルー・チエンに約束していたのだ。深く傷ついたリウ・リンは悲しみに暮れながらも、全ては継母が仕組んだことだと気付いていた。沈宴は彼女を馬に乗せ、流れ星が美しく見える場所へと連れて行き、その傷を癒そうとするのだった。

金鱗衛の捜査を良く思わない陸家と劉家は、告発文を書き上げ、連名で奏上しようと計画していた。また、陸公は捜査の目的を見抜き、密かに闇討ちまで準備していたのだった…。一方、鬼面（グイミエン）から事件に関する情報が得られると聞いた小錦（シアオジン）は、南典正司へ向かう。幼馴染である沈昱（シェン・ユー）と会い、公務として情報収集をしながらも、心は幼少期に戻ったようだった。その夜、陸家にたった一人で忍び込んだ沈宴は、屋敷にいた陸銘山と遭遇してしまい…。

沈昱を思いやる小錦の温かい心に触れたリウ・リン。沈宴に対しての未熟な想いと比べて落ち込んでしまい、そんな気持ちを紛らわそうと、一人で馬車を下り酒屋へと向かった。一方沈昱は、沈宴に会うために北典正司へ足を運んでいた。密かに行っていた事件の調査と、リウ・リンが酒屋へ行ったことを伝えると、事情を聞いた沈宴は急ぎ定北候邸へと向かう。既に酔ってしまっていた彼女は、目の前に現れた沈宴を夢の中の存在と思い込んでいて…。

わだかまりを解き、心を通わせた二人。まるでそれを祝うかのように、空には大きな花火がとめどなく打ち上がっていた。霊璧（リン・ビー）と羅凡（ルオ・ファン）も、遠くからその様子を見守っていた。賑わっている町を散策しながら、川に灯籠を流しに行こうと誘うリウ・リン。灯籠に願いを書いた紙を入れて流すと叶うというのだ。美しい景色の中、二人は船に乗り、川に灯籠を流す。このまま時間が止まればいいとつぶやくリウ・リンに、沈宴は優しく将来を誓うのだった…。

沈宴は玄武鎮へと向かい、国庫金強奪事件の鍵を握る宝箱を手に入れようとしていた。雲奕をわが子のように思っている魯鶴（ルー・ホー）は、その在り処を教えようとしない。しかし、大切な愛弟子も、小錦にとっては両親を死に追いやった敵。そのことに気付かされた彼は、宝箱を差し出すことを決心する。一方リウ・リンは、沈宴の母にはたらきかけてくれた秦凝（チン・ニン）を屋敷に招待しようとしていた。すると秦凝は、3年間捜し続けていたある人物と再会を果たす。

突然やってきた夷古の皇太子、拓跋烈（トゥオバー・リエ）との婚姻を言い渡されたリウ・リン。理不尽な決定を取り下げてもらうべく、祖父とともに殿下のもとへ向かい懇願する。しかし、婚姻を断ると戦が起こり、魏の民が犠牲になると聞いた二人は呆然とし、祖父はその場で倒れてしまう。同じ頃、リウ・リンの父である広平王は、夷古の皇太子と密会していた。魏を自らの手に取り戻すため力を貸してほしいと頼むが、拓跋烈はリウ・リンに結婚を納得させることを条件として出し…。

老七（ラオチー）の結婚式で再会を果たす二人。皆が公主様の参列を喜ぶ中、沈宴の表情は曇っていた。同じ頃、広平王はリウ・リンの部屋で亡くなった妻の簪（かんざし）と肖像画を見つける。過去を思い返しては、娘を幸せにすることの出来ない自分を悔やんでいた。老七の自宅では式後に宴会が開かれており、リウ・リンは一人寂しく酒を嗜んでいた。霊壁と羅凡によって彼女の席に連れてこられた沈宴は、耐え切れずその場を離れようとするが、心の葛藤は隠しきれず…。

夢の中だけでも恋人でいたいと願い、いたるところに面影を探してしまう…。二人は離れても、互いを想う気持ちは変わらなかった。沈昱と酒を交わした後、酔った沈宴は耐え切れず、かつてリウ・リンが暮らしていた定北候邸へと向かう。もぬけの殻となった部屋を見渡すと、そこにはリウ・リンが描かれた肖像画が置かれていた。美しく描かれた彼女の姿と、“互いを忘れない”の文字。よみがえる愛しい時間、戻れない過去…。沈宴は、あることを決意する。

拓跋烈の部下である穆昆（ムー・クン）が腹を立て、リウ・リンの大切な嫁入り道具である絹織物を燃やしてしまう。拓跋烈はそれを隠そうとし、苦し紛れに言い訳をしていた。意図的に燃やしたとすれば、魏を侮辱することと同じだと声を上げる彼女に対し、一層気を配るように。その頃、小錦は蒔花閣（じかかく）へ向かっていた。計画が終わったらぎょうを離れると報告すると、真剣な眼差しになる沈昱。小錦の手を取り、私のためにぎょうに残ってほしいと強く訴えるのだった。

皇太子殿下の前で過去の罪を暴露され、窮地に陥った陸公。そこにとどめを刺したのは、なんと親族であるはずの陸銘山だった。事件の真相が明かされた後、皇太子は夷古に隠された魏の財産を取り戻すべく考え込んでいた。そこへ小錦がやってきて、殿下に夷古との戦を促す。彼女が自身を犠牲にしてまでも望むのは、他でもなくリウ・リンと沈宴が結ばれることであった。そしてついに、計画が動き始める。果たして沈宴達は、無事にリウ・リンを取り戻せるのか。

体調が悪化し、先が長くないことを悟っている定北候。その様子を見たリウ・リンは、今まで誰よりもそばで支え、助けてくれた祖父に何かしてあげたいと、式を挙げるより先に婚礼の挨拶をしてほしいと沈宴に頼む。二人の挨拶を聞いた定北候は、結婚を心から祝福し、安堵の表情を浮かべていた。その夜、式の日程を早めるために沈宴は母に会いに行った。半年かかるといわれている婚礼の準備を2か月で済ませたいと聞き、困惑する沈夫人だが…。

死罪に追い込まれそうになっていた小錦を助けに来たのは、沈昱だった。逃げないのなら自分もここにいると言って聞かない彼に押され、共に逃亡することを決意する小錦。二人はリウ・リンと沈宴の協力を得て、ぎょうからの脱出を試みることに。次の日、リウ・リンの馬車がぎょうの門へと向かうが、罪人をかくまっていると疑われ、馬車の中を確認されるものの二人の姿はどこにもない。そんな時、南門から正体不明の人物が逃げて行ったとの報告があり…。

広平王の兵に攻撃された沈宴は崖から身を投げ、奈落の底へと消えてしまう。待っていてほしいという言葉を信じてただ一人待つリウ・リンは、彼と過ごした幸せな日々を思い、涙を流していた。途方に暮れていたその時、なんと彼女の前に沈宴が現れた。彼は広平王の作戦を知った上で、沈昱と共に計画を立てていたのだ。しかし幸せな時間も束の間、沈宴は挙兵に備えて偵察に行くという。もう離れたくないリウ・リンは彼を必死に引き止めるが…。

仙界と魔界による壮絶な戦いの決着から14年。人間界で暮らす物乞いの虫子（ちゅうし）は泥棒だと疑われ、見せしめとして吊るされていたところを仙門の尊者（そんじゃ）・洛音凡（らくいんはん）に助けられる。しかし洛音凡にもらった菓子をいじめっ子に奪われ、怒りとともに邪気を爆発させてしまう。そこに現れた仙門の尊者・楚不復（そふふく）に「人に殺意を向けてはいけない」と諭される。この世に絶望し、神仙はいないと思っていた虫子だったが、楚不復の勧めで仙門への弟子入りを志す。

弟子入り志願者の選抜が始まり、厳しい課題が次々と行く手に立ちはだかる。虫子は名家の子息・秦珂（しんか）、公主の司馬妙元（しばみょうげん）と対立しながらも力を合わせ、試練を乗り越えていく。しかし、別の志願者を守るため、凶暴な虎と対峙した際に再び邪気を発揮し、一部始終を南華（なんか）派の尊者たちに見られてしまう。邪気を持つことを理由に弟子入りを一方的に断られた虫子が反発する中、督教（とくきょう）尊者の閔雲中（びんうんちゅう）は彼女を山から力ずくで追い出そうとするが…。

師匠となった重華（ちょうか）尊者の洛音凡から新たに重紫（ちょうし）の名を授かり、2人きりの共同生活が始まる。まだ童心が盛んな重紫は修行には真面目に取り組まず、洛音凡を困らせてばかり。それから3年の時が経ち、相変わらず洛音凡の優しさに甘えている重紫は、言い付けを守らずにこっそり紫竹（しちく）峰を抜け出す。久しぶりに会った同門の弟子たちは修行を重ねており、自分は全弟子が祖師（そし）殿にお参りする行事にさえ参加していなかったことを知ってしまう。

天機（てんき）尊者の虞度（ぐど）からも重紫の育て方を心配されるが、洛音凡は彼女のそばを離れずに見守れば問題ないと答える。教えを守り邪気を抑えることを心掛ける重紫は、下界で暮らしていた時に師匠に似た優しくて男前の仙人に会ったことがあると突然語り出し、心当たりのある洛音凡と虞度は顔を見合わせる。そして、重紫が法術を学びたい理由を知った洛音凡は、彼女とともに下界を訪れて食事を楽しむが、街中を歩く黒装束の男を見かけ…。

青華（せいか）宮の宮主・卓耀（たくよう）の誕辰（たんしん）祝いに向かう途中、重紫はかつて親友だった小豆子（しょうとうし）のもとを訪れるが、目にしたのは彼女の変わり果てた姿だった。傲慢な金持ちの脅しに苦しめられた小豆子の無念を晴らすため、重紫は怒りに任せて復讐しようとするが、洛音凡に制される。自らの無力さに涙する重紫を前に、洛音凡は師匠として世の無常を説き、彼女の悲しみを優しく抱きとめる。そんな時、2人は継母に売られそうになっていた娘・聴雪（ちょうせつ）を助ける。

青華宮の祝宴では、洛音凡の唯一の弟子である重紫に好奇の目が向けられる。重紫は、洛音凡に無理やり近づこうとする仙女をたしなめ、他の女性たちにも警告する。遅れて会場に到着した卓宮主の息子・卓昊（たくこう）は、重紫のいたずらで恥をかくが、なぜか2人の縁談話が立ち上がってしまう。卓昊が洛音凡の育て方に口を出したところ、卓宮主の妹・卓雲姫（たくうんき）が現れ、その場を収める。会議では、青華宮に幽閉されている宮可然（きゅうかぜん）の処遇について意見が交わされる。

万劫（ばんきょう）を捕らえるため、洛音凡たちが出かけている間に、卓昊が重紫の面倒を見ることに。部屋に閉じ込められていた重紫は、男女の言い争いに気づいて耳をそばだてるが、気配に感づいた万劫によって深手を負わされる。駆けつけた洛音凡が術を繰り出すも、万劫は宮可然を連れて魔界へと逃げ去った。目を覚ました重紫の目の前には薬に長けた呪仙（じゅせん）の燕真珠（えんしんじゅ）がいた。法術も法器も授かっていないことに落ち込む重紫に、洛音凡はある提案をする。

崑崙（こんろん）派の掌教（しょうきょう）・玉虚子（ぎょくきょし）は宮可然を捕らえ、彼女を餌に万劫を誘き出そうとする。洛音凡が玉虚子のやり方に苦言を呈したその時、突然現れた万劫が宮可然を連れ去ってしまう。一方、留守番中の重紫は、燕真珠から崑崙行きを勧められ、秦珂に同行を頼み込むが断られてしまう。しかし、その場に現れた仙長（せんちょう）・慕玉（ぼぎょく）の許しを得て、重紫も行けることになった。道中で卓昊と再会し、行動をともにすることになったが、重紫と司馬妙元の亀裂が深まり…。

洛音凡の到着を待つ間、贈り物で機嫌を直してもらおうと出かけた重紫は、泉で傷を癒やしている宮可然と万劫を目撃する。万劫の顔を見て、かつて仙界入りを勧めてくれた仙人に似ていると気づくが、変わり果てた様子に困惑する。「生まれ持った邪気はあるべき場所に戻る」と言い残し、万劫は姿を消すのだった。命令に背いた罰として、洛音凡は重紫をその場で跪（ひざまず）かせて放置する。脚の痛みと眠気に耐える弟子の姿を、洛音凡は隠れて見守っていた。

燕真珠から、万劫は南華派の仙人・楚不復が魔に落ちた姿だと知らされる重紫。さらに、魔剣を手に同門の弟子を数多く殺めた恐ろしい過去を聞かされるが、重紫は事情があるに違いないと考えていた。重紫への想いが募る卓昊は、彼女と結婚したいと父親の卓耀に懇願する。息子の願いを受け入れ、さっそく南華を訪ねた卓耀は、重紫との縁談を申し込む。厄介払いができると喜んだ閔雲中だが、重紫がまだ幼なすぎることを理由に洛音凡は強くはねつけた。

祖師殿で天魔（てんま）令を呼び覚まそうとした罪に問われ、牢獄（ろうごく）へ送られることになった重紫。しかし、護送中の隙を突かれ、連れ去られてしまう。重紫が目を覚ますと、見渡す限りの荒野が広がり、その土地には魔剣を持つ万劫の姿が。恩人を助けようとする重紫の提案に、万劫は耳を貸そうとしない。一報を受けた洛音凡は、虞度の力を借りて重紫の居場所を突き止めようとするが、仙界でも魔界でもない場所はなかなか見つからなかった。

重紫を捜しに来た秦珂たちだが、彼女を憎む司馬妙元は救出に反対し、1人で帰ろうとしていたところを攫われてしまう。傷を負う万劫が司馬妙元から霊気を吸い取ろうとするのを見た重紫は、「あなたに人を殺してほしくない」と懇願する。南華に戻った司馬妙元は経緯を語り、重紫が万劫から特別な扱いを受けていたと尊者たちに報告する。お菓子が食べたいと甘える重紫の頼みを聞き、下界を訪れた万劫は仙人の時に彼女を救ったことを思い出していた。