顔淡（がんたん）は道遠（どうえん）を酔わせて鍵を盗み降妖堂の妖族たちを脱獄させると、禁足の罰を受ける唐周（とうしゅう）が罪を償う功績を上げられるよう一芝居打つ。その結果、唐周は許されて二人も仲直り。唐周は情愛を禁じる掟がある掌門の地位を継ぐことが決まる。その後、顔淡は唐周と一緒に異象が続く王都へ。そこで彼女の行方を追ってきた余墨（よぼく）と再会し…。

人間界に落ちた蛍灯（けいとう）は王位を継いだ裴洛の側妃・聖徳（せいとく）となっていた。そんな彼女に密かに虐待された顔淡（がんたん）は妖元が損なわれ、唐周（とうしゅう）と余墨（よぼく）に助けられるもしばらく花の姿でいることになる。また、宮中では王妃・絳辰（こうしん）が妖族とばれて多くの娘たちを殺した罪で成敗される。だが、これを冤罪だと信じる顔淡は唐周と余墨に真相究明を訴え…。

唐周は応淵だと聖徳が気づいた頃、裴洛の部屋に忍び込んだ余墨は隠し部屋を発見、酒蔵で女性の遺体も発見されたことから一連の事件は裴洛の仕業だと気づく。長寿にこだわる裴洛は長生丹を作るために罪のない娘たちを犠牲にしていたのだ。その結果、余墨は裴洛から異眼を取り返し、唐周は四大神器の理塵を手に入れることに…。

朝瀾は敖宣に余墨への想いを断って結婚すると約束し、彼への追撃をやめてほしいと言う。一方、朝瀾が余墨に逆鱗を捧げたと知った父の南海龍王・朝衍は彼に会いに人間界へ。その結果、余墨は逆鱗を返すために南海へ向かい、唐周、顔淡、聖徳もそれに同行する。だが、父の死で東海龍王となった敖宣が南海を占領しようとして…。

敖宣に朝瀾を人質に取られ重大な決断を迫られた余墨。彼はかつて九鰭が修羅族の罠にはまり皆殺しにされたのは東海龍王が何者かと通じた陰謀のせいだと朝衍から聞かされる。一方その頃、顔淡と唐周は二人の時間を楽しみながらも時になぜか胸が苦しくなることに戸惑いを感じていた。また、聖徳は密かに敖宣と手を結ぶと…。

顔淡は敖宣を騙して反撃する策略を考案。結局、追い詰められた敖宣は聖徳を人質にして逃亡するが、逆に聖徳に口封じされたのだった。そこで顔淡と唐周が聖徳を疑う一方、聖徳は唐周を救えるのは自分だけだと考え執着を強める。また、両親の敵を討った余墨は創世の戦いだけでなく仙魔大戦でも陰謀があった証拠を見つけるが…。

四海の王に即位した朝瀾の戴冠式を見届けた顔淡、唐周、余墨は、聖徳と一緒に鶴心門へ向かう。だが、聖徳は途中で本性を現して顔淡の蓮心を奪おうとし、余墨が暁寒経で反撃した結果、石と化す。その後、鶴心門は聖徳によって全滅していたと分かり、理塵の使い方を知る手がかりを失った3人。すると、ある老婦人が現れて…。

理塵を奪って消えた老婦人が残した手がかりを追って朱翠鎮へ来た顔淡、唐周、余墨。彼らは情報収集のため訪れた尽歓坊で謎めいた男・柳維揚と知り合う。また、一番人気の舞姫・払霜に言い寄られた唐周は尽歓坊には秘密があると気づくと同時に、法環の異変によって自分が禁じられている情愛を顔淡に抱いていると自覚して……。

顔淡は「紅塵録」と題して人間界で見聞きした話を書き留めていたが、唐周のことが気になって筆が進まない。そんな顔淡に唐周は払霜とは何もないと弁解して花を贈り簪を返す。その後、払霜の入れ墨を確認した顔淡は彼女が神霄宮の者に違いないと確信。唐周、余墨とともに払霜の後を尾けて、ついに宮主の正体を突き止めるが…。

記憶を取り戻したいという神霄宮の宮主・柳維揚に協力して魔相の中へ入った顔淡、唐周、余墨。3人はそこで三つ目の四大神器・楮墨を手に入れるが、柳維揚が過去について語ろうとしないため土地神が持つ史書を読むことにする。一方その頃、石化を食い止めて蘇った聖徳は顔淡らに復讐するために花精族を襲って妖元を奪い…。

唐周は楮墨を奪った柳維揚こそが邪神・玄襄だと気づき、彼が魔族の軍を復活させるのを止めようと夜忘川の屍骨山へ急ぐ。だが、そこで柳維揚は意外な真相を語り始める。かつて仙界の使者・陶子きを愛した玄襄は戦を避けるために魔相を封じようと決意、彼女に万魔の眼を贈って求婚した。だが、長老の爍かが謀反を起こして…。

顔淡と唐周は柳維揚が楮墨で陶子きを復活させるのに協力した後、一緒に夜忘川で小舟に乗る。すると、唐周の持つ冥火の灯が割れ、応淵の記憶が一瞬だけ戻った彼が顔淡に口づけをする。その瞬間、顔淡の記憶の封印が解かれ彼女は全てを思い出したのだった。そんな二人を偶然見つけた聖徳が好機とばかりに彼らに襲いかかり…。

渭水経略府の提轄 魯達は、豚肉売りの“鎮関西”こと鄭屠が弱い者いじめをしてはびこっていることを知り懲らしめに行くが、なんと誤って殴り殺してしまう。お尋ね者になった魯達は、かつて命を助けた林夫人の紹介で文殊院に行き剃髪、“魯智深”という僧になるが、酒好きが災いして行く先々で騒動を起こし東京へとやってくる。一方 東京で禁軍80万に槍法を教える林教頭こと林冲は、ひょんなことから魯智深のいる菜園を訪れ…。

魯智深と意気投合し義兄弟となった林冲。２人は楽しく杯を交わすが、その頃、林冲の妻が高きゅうの養子の高衙内に難癖をつけられてしまう。その現場を見ていた林冲の弟分の陸謙は、高衙内を恐れその場を立ち去る。怒りが収まらない林冲をなだめる林夫人だったが、高衙内も林冲を亡き者にするよう陸謙に命じていた。そんなある日、林冲は刀売りから買った宝刀を持ってくるよう太尉府に呼ばれるが、案内された先は軍機を協議する白虎節堂だった。

滄州に流刑となった林冲は護送係の董超と薛覇から嫌がらせを受けながらも先を進み、一行は野猪林に到着する。董超と薛覇は眠っていた林冲を突き縛りつけ殺そうとするが、そこへ魯智深が現れ林冲を救う。魯智深の腕っ節にすっかりおびえた董超と薛覇は、林冲を丁重に滄州へと送り届ける。魯智深と林冲は再会を誓い合うのだった。一方、林冲が無事だと知った陸謙は、富安と滄州の牢城を訪れ、林冲を亡き者にしようと典獄を抱き込み…。

うんの押司 宋江のもとに梁山泊の頭領、晁盖が訪ねてくる。晁盖は蔡京の生誕祝いの品を奪った際に、宋江に救われ朝廷の追撃から逃れていた。だが宋江は晁盖から受け取った文を妾の閻婆惜に見られ、争っているうちに誤って殺してしまう。済州から逃げ出した宋江だったが、父親に会いに実家に戻ったところを官府に捕らえられ、江州に流される。一方 流刑先の江州の知府は宋江が梁山泊と通じていると疑い、公開処刑に踏み切るが…。

梁山泊に合流した宋江は、唯一気がかりだった父親を山に招こうとするが、父親から親子断絶を言い渡される。その頃、朝廷は幾度と梁山泊と戦いを重ねた末、梁山泊は晁盖を失うが、宋江が代わって頂点に立ち梁山泊好漢108名に序列をつける。だが宋江は、梁山泊兄弟の未来は朝廷への帰順しかないと考えていた。軍師呉用の知恵も借り、宋江は生け捕った高きゅうに皇帝へのとりなしを頼むが、高きゅうに積年の恨みを持つ林冲は失意から病に倒れ…。

朝廷への帰順を許された梁山泊。皆が沸きあがる中、林冲は兄弟たちの身を案じながら息を引き取る。山を下りた梁山泊の兄弟たちを代表し、宋江は皇帝に謁見、国のために力を尽くすと誓うが、その頃 仲間が小競り合いを起こして役人を殺してしまう。引きとめる李逵たちを制して仲間は自害、失望した魯智深は出征には加わらず宋江に別れを告げ大相国寺に戻る。戦に勝つも多大な犠牲を出した梁山泊軍。宋江はようやく故郷に錦を飾るが…。

人里離れた密林の奥にある離境天では、大勢の巫族（ぶぞく）が暮らしていた。その１人である卿塵（けいじん）は、執事巫女（みこ）の選定に参加する。

皇帝の元安を訪ねた巫族の長老の昔邪（せきしゃ）は、先帝の玉璽（ぎょくじ）と引き換えに、元凌の命を守る約束を取りつける。

自らの命が長くないと悟った昔邪。卿塵に元凌が先帝の子であることを打ち明け、さらに先帝の遺詔を託して、彼に渡すかどうかを決めるように命じる。

暗巫の力を使い、卿塵にかけられた聖巫女の封印を解いた第七皇子の元湛（げんたん）。それはかつて、昔邪と桃殀が天下の安寧と彼女の幸福を願い封印したものだった。

元凌との愛を貫くため、巫族を抜けるための試練を受ける卿塵は、元凌と力を合わせ試練の陣を突破することに成功。

九転玲瓏陣の中に入った卿塵は霊石を失う。さらに、九転玲瓏使と名乗る人物に襲われるが、陣から抜け出すことに成功。

元湛は皇太子の縁談を進めるため阿柴（あさい）族の元へ向かう。だが、その阿柴族では国王暗殺未遂事件が発生していた。

巫女たちの術で身動きが取れずにいた卿塵は、元凌に発見される。だが、梁兵の格好をしていたため敵だと疑われ、捕らえられてしまう。

元凌の奇策により梁軍の幕営から救い出された卿塵は、ためらいながらも次第に元凌との関係を深めていく。

魏国の皇子たちについて情報を集める阿柴族公主の朶霞（たか）。誰が夫にふさわしいかを調べるため、戦神と名高い元凌の元におもむいて、直接手合わせを求める。

元汐の亡骸と共に帰還した元凌は、元汐の母である殷貴妃から、ありもしない罪で息子を処刑したと責められる。

殷貴妃の陰謀により敵と通じた罪を着せられた元凌は、元安に禁足を命じられる。しかしその後、元安は自らの潔白を3日で証明するよう命じて、元凌を王府の外へ出す。